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ひかりをむすぶ

　　　　　１　

　明転
　舞台中央に机。下手側から智子、直也、朱莉、宗佑、志保
　各自、適当に食べたり飲んだり、パーティーを楽しんでいる

宗佑　それにしても、朱莉と直也さんがなぁ
直也　俺もまさか自分が結婚するとは思わなかったよ
智子　付き合うきっかけってなんだったんですか？
志保　あれ、智子は知らなかったっけ？　宗佑の面白い話
宗佑　なんだよ、志保
智子　宗佑さんが関わってるんですか？
宗佑　まぁな。あれは忘れもしない大学二年生の――
志保　あんたが語ってどうする。朱莉、教えてあげて
朱莉　うん。元々お互い良いなとは思っててね。でも男の人から告白されたいじゃない
智子　分かります。素敵ですよね。そういうのって
朱莉　だけど直也がなかなか切り出さないから、部活が始まる前に呼び出したの
直也　あのときは緊張したな
朱莉　それで「なにか私に伝えることあるんじゃないの？」って攻め寄ったのよ
智子　ひゃー！　朱莉先輩、やりますね。でも、それに宗佑先輩がどう関わるんですか？
直也　俺が告白して良い雰囲気になった後、すぐに宗佑が教室に入ってきたんだよ
志保　ほんと、空気読めないんだから
宗佑　だって知るわけないだろ。それと、俺は歳上なんだから口には気をつけろよな
志保　なーにが歳上よ！　先輩らしいこと一つもしてないくせに！
宗佑　なんだと！
志保　なによ！
智子　もう。お祝いの場くらい大人しくできないんですか、先輩方は
二人　……すみませんでした

　宗佑、テーブル下のお面を発見する

朱莉　どっちが先輩なんだか
宗佑　あれ？　直也さん、これお面ライダーじゃないですか
直也　あぁ、部屋の片付けをしてたら出てきたんだ

　直也、宗佑からお面を受けとり被る
　ここからしばらく茶番。女性陣は各々なにかしらしてる

直也　変身！　お面ライダー、参上！
宗佑　にー！（ぬいぐるみを手に持つ）
直也　出たなニャッカー！　人質を取るなんて卑怯だぞ！
宗佑（ぬいぐるみ側の声で）助けてー！　お面ライダー！
直也　私が来たからにはもう安心だ。大船に乗ったつもりでいたまえ！
宗佑　小癪な！（棚から本を取り出し）ダークシールド！
直也　ゴットインパクト！（本を吹っ飛ばす）
宗佑　なんの！　エスパーハンド！
直也　ぐっ！　負けてたまるか！　喰らえ！　シャイニング！　フィンガー！
宗佑　にー！（棚にぶつかる）
直也　正義は必ず勝つ！
宗佑　あれ、……これって
朱莉　なに？
宗佑　あ、いや、直也さんの秘蔵本が……

　女性陣、直也を見る

直也　ち、ちがっ！　……宗佑。それはそっと閉まっておきなさい
宗佑　いえ、朱莉に見られないよう私が預かっておきます
直也　う、うむ！

　宗佑、直也　しっかりと握手する

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