アルバス
『アルバス』
はっとりおきな
【登場人物】
(男)ボーン:記憶喪失。二十代前半。
(男)判田 幸成(はんだ こうせい):大学一年生。写真部に入部してくる。
(女)鏡島 真(かがしま まこと):大学二年生。写真部部長。
( )影岡 匠(かげおか たくみ):大学一年生。写真部。
※影岡匠は男として書いてありますが、性別の変更は可能です。
シーン1
何もない彼の空間。ボーン登場。明かりがつく。
背後に、大きなボードが用意される。
そこには、何枚かの写真が貼られている。
ボーン「はい。勉強のことや、言葉のことは忘れていません……いいえ、倒れていた場所にも、服の中にも、身分を示すようなものは……はい、なにも。好きな音楽? 食べ物? ……いいえ。はい、時折、頭がボーっとしてしまって、食事の最中に寝てしまったり……いえ、頭はそれほど痛みません。それよりは、左肩の傷が。何の傷かは、分かりません。名前? 名前……」
判田幸成、登場。何かを探している。ボーンには気付かない。判田去る。
ボーン「俺の名前は……『ボーン』、です」
シーン2
写真部部室、昼。鏡島真、影岡匠登場。鏡島も影岡も大きめの鞄を持っている。鏡島はペットボトルのお茶を飲んでいる。怖い顔で体ごと、素早くそちらを振り向くボーン。少したじろぐ影岡。
影岡 「かっこいい名前だろ?」
鏡島 「カッコよくない。なんなのボーンって、骨ってこと?」
影岡 「はー。鏡島さん、知らないんですか『ボーン』シリーズ。めちゃめちゃ面白いんですよあの映画。主人公が、自分が何者なのかを知るために」
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