北島、異世界転移科の補習とらされるってよ
北島、異世界転移科の補習授業 とらされるってよ

作: 安室れいぞうこ

先生
佐藤: 生徒。真面目
鈴木: 生徒。
北島: 生徒。ツッコミ担当

ホワイトボードがある
ありふれた教室
佐藤、鈴木は座って待っている



キンコンカンコン (始業ベル)

先生: (早足に入ってくる)はい、それじゃあ始めるよ。
佐藤: 起立

着席
北島: すいません、遅れました!(歴史の教科書とノートを持って慌てて入ってくる)
先生: あ、適当に座って。
北島: はい(申し訳なさそうに)
先生: はい、じゃあ12章の
医学チートの冒頭部に書いてある通り、『高度な
治療魔法が普及してる異世界に 転移出来るとは限らない』から、
ある程度現代医療の知識もあると良いよね。
北島: (がばっと頭をあげて、はぁぁ?と、教師を見る)
先生: じゃ今日は参考書の292ページ開けて。
北島: (きょろきょろと周りを見る)
先生: (北島に)あれ?忘れた?隣に見せてもらって。
北島: すいません。(机をつける)
先生: (ボードにペニシリンと書きながら)それでは、ペニシリンって何?はい佐藤
佐藤: 世界初の抗生物質です。
北島: (へっ?と、参考書を凝視する)
先生: そうだね。今も使われてる薬だけど、どんな病気に使われてる?はい鈴木
鈴木: え?分かりません。
先生: 細菌性の肺炎などに効きます。
じゃあ異世界でペニシリン作れる?はい佐藤
佐藤: 中世異世界の技術でペニシリンの合成は無理があります。
先生: まぁ、詳細は参考書に書いてあるから読んどいてね。
パンにはえる青カビからペニシリンの作り方も書いてあるけど、
みんなは現在医者じゃないからくれぐれも
気をつけてね。
あと、
(ホワイトボードに JIN 仁 ペニシリン と書きながら)
「JIN 仁」っていうテレビドラマ化された漫画の主人公が、
江戸時代にタイムスリップして
ペニシリンを作ったから、後で「仁 ペニシリン」で検索してみて。
(佐藤と鈴木は早速スマホで検索始める)
北島: あ、あの、すいません。
先生: どうした?
北島: あの、ここ歴史の補習ですよね?
先生: あ〜君、名前は?
北島: 北島です。
先生: あ、歴史の田中先生から聞いてる。
この補習に参加させるよう依頼があったわよ。
北島: えぇ?田中先生 補習丸投げ?
で、でもペニシリンとかなんなんですかこの補習?
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