修羅場(声劇用)
美香 おーそーい!
誠人 まあまあ、そうカッカしないで。
美香 今カッカしないでいつするの?今でしょ!?
誠人 うわあ、時勢を取り入れた素晴らしいコメント力だね!
美香 うっさい!ああもうあんたの顔見てたってなんの解決にもなんない!
誠人 じゃあ僕帰っていいかな…今日漫画の発売日なんだけど…
美香 はあ!?可愛い幼馴染が困ってるのに何それ!漫画とあたしどっちが大事なわけ!?
誠人 美香ちゃんです…
美香 分かってんなら余計な体力使わせないでよ!
   あたしは今あの女をいかに叩きのめすかで頭いっぱいなんだから!
誠人 ご、ごめん…
    (戸が開く音)
優  あ、みかみかせんぱぁい!まだ残ってたんですか?
美香 残ってたんですか?じゃないわよ!あんたこのあたしをどんだけ待たすの!?
   ていうかまず謝罪でしょ!フライング土下座でしょ!?
優  えーすいません…フライングはまだしも土下座はお膝汚れちゃうからぁ…
誠人 えっと、戸惑うとこ違うんじゃないかなあ…
優  そんな些細なことより、みかみか先輩、優になんのご用ですか?
   優この後たっくんとデートなんですけどぉ
美香 そのたっくんのことで話があるの!あんたさぁ、拓也があたしと付き合ってるって知ってるよね?
誠人 ちょっと、美香ちゃん直球!もうすこし段階踏んで慎重に…
優  はーい、知ってまーす!
誠人 わあああ良いお返事!良いお返事だけど最悪なお返事!
美香 いい度胸じゃない、このあたしが相手って分かってて男横取りってわけね
誠人 おっ、落ち着いて!優さんだって、悪気があってしたんじゃないよね。
   恋って理屈じゃないっていうか、突然落ちるものだし!
   優さんが拓也くんを好きになっちゃたのも仕方ないっていうか…
優  え?別に優、たっくんのこと好きってわけじゃないですよぉ?
誠人 ええええ!?予想外の玉砕!!
美香 ちょっと、それどういう意味!?
優  ていうか、みかみか先輩こそなんであんな男のことでマジになってるんですか?さっむー
美香 なっ、なんで…
優  なんで?そうだなー強いて言うなら、うざかったからかな?みかみか先輩恋するとうざいじゃないですかぁ。あたしの拓也がどーしたこーしたって、どぉでもいいっすから。
美香 ふ、ふざけないでよ!あたしがうざいから、横取りしたってこと?そんなの、あ…あんた頭おかしい!
誠人 美香ちゃん落ち着いて…
美香 落ち着いてられないっつの!誠人はちょっとだまっててよ!
優  あー、うっざ…
誠人 ほえ?あ、え、優さ、…!
美香 え、ちょっと、アンタ今…誠人にキス…!
優  分かりましたぁ?優のキスなんて、こんなどーでもいい先輩にできちゃうくらい軽いんですよぉ。
    だからそんなギャーギャー喚かないでください、うざいから。
誠人 ちょ、優さん今のはひどいよ!あの、美香ちゃん!今のは不可抗力っていうか!ノーカウントっていうか!
美香 ありえない、ありえない、誠人…こいつ頭おかしいよ…
優  なんとでも?優、そろそろ行きますねーたっくん待たしてるし。あ、みかみか先輩、たっくん言ってましたよ?あんな顔面白塗りの般若みたいな奴、別れたくてしょーがなかったんですって。ひどいですよねぇ、マジ女の敵って感じ?だから明日あたり綺麗さっぱり別れちゃおうと思うんですけど、もし良かったらその後またお付き合いしてもいいんじゃないですかぁ?じゃ、誠人先輩、みかみか先輩、おつでーす。
      (戸が閉まる音)
美香 誠人…まさとぉ…(泣き出す)
誠人 う、うん…大丈夫大丈夫、僕がついてるからね!今回はちょっと運が悪かっただけだよ、きっと美香ちゃんにふさわしい人がいるよ!
美香 ふえぇええん!!!優も、拓也も、マジありえないし…もう誰も信じらんないよぉ…!
誠人 わああっ!泣かないで美香ちゃん!僕がちゃんとそばにいるからね!なっ、なんならギューってしようか!ほらどーんとおいで!
美香 あんたじゃ意味ないでしょぉ!ばかばかあああ!!!
誠人 あ、ごめん…
美香 もういい、帰る!
あ、待ってよ美香ちゃーん!

優  もしもし、誠人先輩ですか?
誠人 ああ、今日はお疲れ。
優  せ、先輩のお役に立てましたか!?
誠人 うん、うまく出来てたよ?さすが優だね。
優  嬉しい…先輩のためなら優、なんでもします!
誠人 ありがと。でも、あれはやりすぎ。あそこまでしろって言ってないはずだけど?
優  あ、申し訳ありません…!でも、あの女、先輩にあんな口を利くなんて、許せなくて…
誠人 黙れ。
優  すっ、すみません…!
誠人 まあいいや、結果いい薬になったしね。あと5回くらい男取られればきっと美香は気がつくよ。ちょっと頭は弱いけど、優しい子だからね。
優  そ、その時は、また優のこと使っていただけますか?きっと先輩のお役に立ちますから、
誠人 いや、もうお前はいいよ。そろそろお前を使うのも飽きちゃった。今日のキスでおしまいにしようか、どう、破格の待遇だとおもうけど?
優  それは、そうですが…嫌です先輩!優、まだ先輩のお役にたちた、
誠人 ああうっざ、二度と掛けてくるな
       (電話の切れる音)
誠人 ほんと、美香ちゃん早く気がついてくれなきゃ。君には俺しかいないんだって、ね。
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