新宿オールウェイズ
久間 盛寛 (くま もりひろ)
島 氏治 (しま うじはる)
白鳥 深冬 (しらとり みふゆ)
館林 直也 (たてばやし なおや)
愛未 怜 (まなみ れい)
望月 成実 (もちづき なるみ)
唯一 歩 (ゆいいつ あゆむ)
若生 恵 (わかい めぐみ)
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客入れの時間。
舞台上には大掛かりな舞台セットはなく、素舞台に複数の椅子や机が乱雑に散らばっている。
そんな中、各々の役者は舞台上で自由に過ごしている。
ストレッチ、読書、おしゃべり、ダンスの練習、化粧、etc...
やがて定刻になると、各々、椅子や机を任意の場所へ配置し、そこへ座る。
以降、四角い舞台上を三面囲むように、壁沿いに役者は存在することとなる。
全ての舞台セットが整い、みなが動きを止めたのを見計らって、唯一、舞台中央手前に立つと軽く礼。
唯一 (客席へ)…えー、お待たせしました。あーらためまして、えー本日はご来場いただきまことにありがとうございます。はい。これより開演です、あ、ちなみに現時点でお手洗いに行きたいというお客様はー…、(誰もいないのを確認して)大丈夫そうですね。大丈夫ということで。…じゃあ、早速、始めさせていただきます。(咳払い)えーでは、えー劇団群集日和、第一回、旗揚げ公演、えー新宿おー、
館林 唯一さん、
唯一 あ、はいはい。…え?
館林、いつの間にか唯一の後ろに。
館林 …どうかしたんすか?
唯一 あぁ、ごめんごめん、…いや虫がね、
館林 はぁ。行きましょ。
館林、唯一から離れて舞台奥へ。
唯一、再び客席を向くと、
唯一 …じゃあ、行ってきます。
役者、一斉に動き出し雑踏となる。
唯一、その雑踏の中へ。
OP
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1
若生、少し離れた椅子の上から雑踏を眺めている。
以降、客席へ語り掛けるモノローグを「語り」と表記する。
若生 (語り)あー、えっと、どうも。若生です、若生恵。若く生きる恵みって書くんですけど、あ、28です。…28、…28かー、もうじき30すよ、そう、最近バイト先も新しく入ってくる子がみんな歳下で、あ、コンビニです、コンビニ。…あー、どうだろ、4年くらい。…趣味はー、…人間観察。えっと、新宿駅の東口出たとこの交番、前に、銀色の柵あるのわかります? そこに座って、じーっと眺めるんですよ、駅から出てくる人を。みんなそれぞれの癖があって、歩くだけでもその人の人生が滲むっていうか。そういうの、面白いんですよねー。
白鳥 余裕ですね。
若生 え?
雑踏は消え去り、それぞれの役者は舞台を囲むように二人を眺めている。
舞台上はコンビニ店内へと変わっている。
制服姿の白鳥。
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