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殿と町娘

.殿と町娘第１稿
殿と町娘　はりとら稿
　　　　　　　２０１３年１２月１９日作成
　　　　　　　

殿１と殿２が歩いてくる。

殿１「街並みはいつもとかわらないのう。」
殿２「そうじゃのう。こうやってお忍びで城下に来るのも、何度目だったか。」
殿１「しかし、奥方は元気しておるかな。」
殿２「お主のところの姫も気難しいからな。」
殿１「お前のところも大変だったじゃろ。」
殿２「まあまあ。ここは殿同士。せっかく街にお忍びなのだから、楽しくやりましょうぞ。」

そこに、街娘が通りがかる。

殿２「おい。あの娘。」
殿１「なんと美しい。」
殿２「ふむ。そうじゃ。せっかく街に来たのだ。一つ、ここはかけでもしてみんか？」
殿１「かけ？」
殿２「あの町娘を口説き落とした方が勝ち、というのはどうだ？」
殿１「ほほう。よいのう。面白い。せっかく遊びに来たのだ。やってみるか。」

殿１「はて、そこの娘さん。」
街娘「はい？」
殿１「私と、交際せんか？」
街娘「交際？」

殿２、殿１をひっっぱってくる。

殿２「これ、それはさすがにいきなりすぎるじゃろう。」
殿１「突然の出会いにおなごはどきっっとするもんじゃろう。」
殿２「いやいや。悪い方にドキッとするぞ。まあ、見ておれ。」

そこに小僧がやってくる。

殿２「やあ、君みたいな素敵な女性に出会えるなんて、今日はなんてついているんだろう。」
小僧「ねえねえ。何がついてるの？」
殿２「む、なんだこの小僧は？」
小僧「ねえねえ。何してるの。え、もしかしてなんぱ？まじ？自分の顔みたことあるの？」
殿２「むむ、なんと無礼な。この上は。（刀を抜こうとする）」

殿２、殿１を引っ張ってくる。

殿１「いやいや、小僧相手に刀はいかんじゃろう。今日は一町民でござろう。」
殿２「そうだった。ついつい。」
殿１「まあ、任せておけ。」

殿１、町娘に近づく。

殿１「町娘よ、あちらで団子でもどうじゃ。」
小僧「わーい。団子団子！俺も食う！」
殿１「よし、じゃあ駄賃をやるから向こうで食ってこい。」

殿１、小僧も駄賃を渡す。

小僧「わーい。」

小僧、駄賃を持って去る。

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