太陽の雫
レティシア(レティ)
王城で兵士として働き始めた少女。
テオドール(テオ)
レティの幼馴染の少年。聖職者。
ドナ
レティとテオの友達だった少年。『ヒトデナシ』と呼ばれる被差別身分。
ルクレツィア(ルチア)
レティが城のパーティーで出会った少女。
マティルド(モード)
城の女性兵士。レティの上司。
男
小さな教会で子供達と暮らす若い神父。
女
突然男の教会を訪れた、みすぼらしい身なりの女性。
[1]
冬の夜。木枯らしの音と、かすかに聞こえてくる人々の楽しげな声。
男の家の居間。
男「……あー、はいはい、わかった、わかったから。明日な。だからもう寝ろ。おやすみ」
男が上階から下りてくる。椅子にかけようとするや否や誰かが家の戸を叩く。
男、戸を開ける。女が立っている。
女「……神父様ですか?」
男「そんな上等なものじゃあないが。なんの用だ」
女「どうか、一晩泊めては頂けませんか」
男「……裏に薪小屋がある。使え」
戸を閉めようとする男。
女「お待ちください!……神父様。私は罪を犯しました」
女、懐から高価そうなネックレスを取り出す。
男「……」
女「これを、貴族の方の家から盗んでしまった。……神の御許で懺悔をしたいのです。どうか、中に入れては下さいませんか」
男「…………入れ」
男、女を家に入れ、机にかけさせて向かい合う。
沈黙。町の人々の喧騒だけが聞こえてくる。
女「外が、随分賑やかですね」
男「祭の準備だろ。明日は革命記念日だから」
女「革命があったのですか?」
男「……ああ」
女「よろしければ、詳しいお話を聞かせて頂けませんか」
男「懺悔はいいのか」
女「ああ。そうでしたね」
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