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店主と客の珍問答

『客と店主の珍問答』
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客：「あれ？こんなところにラーメン屋が出来てる。知らなかったな。
客：　ラーメン好きの俺としては、一度入ってみるしかないよな。
客：　よし、ちょうど小腹も空いてきたし入ってみるか。」
店主：「しゃあしゃあせ～！」
客：「・・・はい？」
店主：「しゃあしゃあせ～！」
客：「・・・いらっしゃいませってことかな？」
店主：「しゃしゃせ。」
客：「『はい』みたいにうなづかないでください。」
店主：「せ。」
客：「あの、ここって新しくできたんですか？」
店主：「ええ、そうですね。つい最近開店しました。」
客：「へえ、気付かなかったな。いつですか？」
店主：「五分前です。」
客：「え？」
店主：「五分前です。」
客：「五分前にオープンしたばかりなんですか？」
店主：「はい。」
客：「それって、今日の開店時間がってことじゃなくて？」
店主：「はい。ラーメン屋としてつい五分前にオープンしました。」
客：「すごい。まさか本当にオープンしたてなんて。」
店主：「いいタイミングで来ましたね。」
客：「でも、今日がオープンならもっと宣伝した方がいいんじゃないですか？」
店主：「・・・そういうの嫌いなんで。」
客：「え？」
店主：「うちは味で勝負したいんで。
店主：　話題とかじゃなくて食べたお客さんの口コミで広がって欲しいんですよ。」
客：「なるほど。ということは、よっぽど味に自信があるんですね。これは楽しみだ。」
店主：「ええ。このために、本場フランスで十年修行してきましたから。」
客：「え？フランス？え？ここ、ラーメン屋ですよね？」
店主：「そうですよ？どっからどう見てもラーメン屋ですよね？」
客：「いや、そうですけど・・・。え？じゃあなんでフランス料理を勉強してきたんですか？」
店主：「はい？」
客：「いや、だから、ラーメン屋やるのに、どうしてフランスで料理を勉強してきたんですかって聞いてるんです。」
店主：「フランスで料理なんか勉強してませんよ。」
客：「え？だって、今フランスで修行してきたって・・・。」
店主：「ええ。だから、フランスで十年、絵を勉強してきました。」
客：「なんでだよ！」
店主：「え？」
客：「なんでラーメン屋開くのに、フランスで絵の勉強してくるんだよ！」
店主：「嫌だなぁ、料理はまず見た目からって言うじゃないですか。
店主：　美味しいラーメンを作るため、十年かけて美的感覚をやしなってきました。」
客：「やりすぎだろ・・・。」
店主：「それくらい俺はラーメンに真剣なんです。」
客：「そ、そうですか。」
店主：「おかげさまで、みんなからは日本のピカソと呼ばれるくらいにまでなりました。」
客：「・・・美味しくなさそうなイメージなんだけど。」
店主：「さあ！お客さん！何にいたしゃっしょ！」
客：「急にキャラ変わるな。じゃあ、え～と、味噌ラーメンあります？」
店主：「あぁっせん！」
客：「はい？」
店主：「あぁっせん！」
客：「ああっせん？」
店主：「あらっせん！」
客：「ああ、ありませんってことね？」
店主：「あいっす！」
客：「・・・なんて言ってるかよくわからないんだよな。はいってことかな？

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