デモンの凶弾
殺し屋シリーズ:12話
 シャークとセンチピードがともに生活の拠点としているホーム。
 客間の椅子に腰掛けているブルズアイ。
 奥側のドアが開き、センチピードが客間に入ってくる。

ブルズアイ:どう? シャークちゃんの具合は。
センチピード:傷は大したことなかったわ。
センチピード:どっちかと言うとプライドの方が重傷なんじゃないかしら。
ブルズアイ:まさか一人で行っちゃうなんてねぇ。
ブルズアイ:水くさいわぁ、もう。
センチピード:でも止めてたでしょ? 相手が悪いわ。
ブルズアイ:まぁね。
センチピード:連中、最近は同業者狩りに拍車がかかってるわね。
センチピード:もう下手に手は出せない存在になってる。
ブルズアイ:業界から足を洗うって子たちも増えてるみたいねぇ。
センチピード:従わない者は処分する……。いつの時代の頭よ。
ブルズアイ:でも割と効果的なのよねぇ。
ブルズアイ:長い物に巻かれた方が上手くいくこともあるし。
センチピード:あなたはそんなタマじゃないわよね。
ブルズアイ:ふふ、ムカデちゃんもでしょ?
センチピード:単純なトップ・ダウンが通用する世界じゃないわよ。
センチピード:傲慢の極みだわ、彼らのやってることは。
ブルズアイ:お姉さんのことはどうするの?
ブルズアイ:考えとしてはボスの側なのよねぇ。
センチピード:……目を覚まさせる。
ブルズアイ:良いわね、それ。
ブルズアイ:シャークちゃんっぽいかも。
センチピード:一緒にしないでよ。
センチピード:……あの子もこのまま終わるタマじゃないでしょうね。
ブルズアイ:そうねぇ。
ブルズアイ:でもみすみす殺されに行くのを止めないのもヤバくない?
センチピード:どうかしらね。
ブルズアイ:え?
センチピード:頭に血が上ってる時のあの子は使い物にならないけど、冴えてる時は……強いわ。
ブルズアイ:まぁ、それはわかるけど。
ブルズアイ:大丈夫かしら?
センチピード:きっと止めても無駄。
センチピード:先生も絡んでるとなるとなおさらね……。
センチピード:マスターの招待客はシャーク一人だけよ。
センチピード:あっちは任せて、私たちは私たちの仕事をしましょう。
ブルズアイ:んー……。
センチピード:珍しいわね、心配?
ブルズアイ:そりゃねぇ。飲み友が減るの嫌だもん。
センチピード:大丈夫、死なないわ。
センチピード:強い目になってた。
センチピード:仲間を信じるのもチームでしょ。
ブルズアイ:うわっ、ムカデちゃん、青くさいこと言うようになったわねぇ!
センチピード:うるっさい。
センチピード:いいからホラ、行くわよ。
ブルズアイ:んー、どこに?
センチピード:私たちの仕事。
センチピード:……連中、このまま素直にあの店を諦めるとは思えないのよね。

 情報屋を兼ねるカフェ「フラッパー」。
 多数の殺し屋たちが八方に銃を向けている。
 乱発される銃弾によって荒らされていく店内。
 壁や窓、備品やデータなど全て破壊しつくされている。

スコーピオン:おい、これだけやりゃ十分だ。
スコーピオン:もういいぞ。

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