8月31日、結局宿題は終わらなかった。
8月31日、
     結局宿題は終わらなかった。
    
     作:あろ 
                  
     【登場人物】
     中山 広樹(なかやま ひろき)…中学二年生。河川敷に出かける時は帽子、リュックサック(中身は図鑑と水筒)と虫取り網がマスト。
     中山 伊吹(なかやま いぶき)…広樹の兄、十九歳。職を転々としている。
     北川 七星(きたかわ ななせ)…中学生。東京から夏休みの間だけ移ってきた。
     速水 玲奈(はやみ れいな)…伊吹の彼女。十九歳。
     草壁 よね(くさかべ よね)…近所に住んでいるおばちゃん(血縁関係があるのではない)。
    
    
    
     【舞台装置】
     舞台面側に河川敷、土手部分は平台などで1段高くする。その面側に川が流れている設定。
     舞台下手奥に広樹たちの家、上手奥によねさんの家。どちらも土手よりも1段高くする。広樹たちの家は下手で、よねさんの家は上手で出ハケの処理をする。
     下手花道に中山家の墓。
     基本それぞれの場所をエリア明かりで処理する
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
     夜。虫の声。幕が上がる。照明がフェードイン。
     広樹の家。ちゃぶ台で夏休みの宿題に向き合う広樹。ちゃぶ台の上には新聞や数学の教科書はじめ多くの宿題が山を成している。
    
     広樹「ええっと、今日が7月24日だから、あと7日…終わるか…?国語が…? 漢字の書き取り、読書感想文、あと…新聞…だぁる……」
    
     新聞を手に取り、開く。株価の欄。
    
     広樹「ちぇー、新聞は…今日じゃなくていいや…」
       
     数学の教科書が目に留まる。
    
     広樹「あーー!(体を投げ出す)」
    
     教科書を手に取り、パラパラめくる。
    
     広樹「単項式、多項式、連立方程式…… 連立方程式…連立方程式…連立方程式…! あーもーやだー!」
    
     ちゃぶ台に突っ伏す。が、起き上がる。
    
     広樹「いや、早めにやっとかないと…!」
    
     教科書の内容をひたすらブツブツ呟いている。が、途中で眠くなり、いつの間にか突っ伏して寝ている。   
     朝。鳥の鳴き声が聞こえる。ミンミンゼミやアブラゼミの鳴き声。あくびしながら伊吹が登場。
    
     伊吹「またかよ、こいつ…おーーい、ひ、ろ、き~、おーきーろー。(広樹を揺さぶる)」
     広樹「なんなんだよー」
     伊吹「なんなんだよ〜って、朝に決まってるだろ。」
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