奥田普の妖譚
『キャラクター』
普 ルッキズムの権化、イケメン好きの女子高生。常にテンションがハイ。
天喜 可愛い男の子。座敷わらしという妖で普とは幼なじみのような関係。
我狼 傲慢な青年。フェンリルという狼。
理人 チャラい男の人。百々目鬼という妖で、独特の話口で話す。普のことを好いている。
鬼狂 無口な陰キャの男。窮鬼という妖で不幸体質。普のことを好いている。
フェーズ1
部屋にて
照明 白
普「皆、聞いて……今日は大事な話があります」
天喜「なになにー? 普ちゃん!」
我狼「はよ話せ人の子。俺の時間を無駄にするな」
普「私の写真集……壊したの、誰?」
天喜「えーっと、写真集ってどんなの?」
普「みんなの綺麗な綺麗なお顔を毎日隠し撮りしてみんなと出会ってからの十五年間貯めてきた私の思い出だよー?」
天喜「わぁ! そんなのこの家に置いてたのー?」
理人「まぁ、普は俺の顔が好きだから当然と言えば当然なんじゃないか? いや必然だなァ」
普「うん必然♡」
天喜「それはわかったけど、どんなふーにこわれてたの?」
普「水浸し!! 写真シナシナで可哀想なことになったのー!」
理人「それでいんじゃねェか? 今日からは俺の写真だけでもよ」
普「いや皆がいい」
鬼狂「……生で見ればいいんじゃない?」
普「写真と生は別の魅力があるんだよー!」
鬼狂「そっか」
普「うんっ! 今日も鬼狂くんはカッコイーね! カッコイーね! 好き♡」
鬼狂「…そ」
理人「この愛想の悪い坊主より俺の方が魅力的じゃねェの?」
普「好き♡」
理人「ふっ…だってよ」
天喜「もー! 理人くんたちの話はもう飽きたーよー! それよりその犯人探しするんでしょ? ぼくの家でそんな不届きな事したのだれー?」
我狼「座敷わらしの童。この俺を疑う気か?」
天喜「んーー? ぼくは我狼くんみんなうたがってるよ!」
理人「っつかお前さんがいっちゃん怪しいんだろ?」
我狼「何故そのような結論に至った?」
理人「写真集って言ってからずっと黙りだったじゃねェか?」
我狼「……俺と貴様では常識の境界線が違うようだな」
普「イケメン同士の言い合いてぇてぇー」
鬼狂、立ち上がり普の肩を叩き
鬼狂「写真、壊れた大凡の時間、教えて」
普「昨日の夜! 私が寝てから!」
天喜「きのうかー…確かきのうは、普帰り遅かったからぼく先に寝ちゃってたや」
理人「俺はその時間外に出てっから知らねェな。普の為に宝石をパクってた」
普「イケメンが私のために犯罪を?? 好き」
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