雨宿り
【登場人物】
・響(ひびき):社会人
・亮太(りょうた):社会人

〇雨の改札口(夜)10月頃
   人通りが多い
   響、雨の度合いを確認して相手を待つ
   亮太、少し急いで入ってくる
   亮太、気づいていない響の肩を軽くたたく

亮太 「よ」
響 「(亮太に気づいて)お、もう来てたの?」
亮太 「いや今来たとこ。ごめん遅くなって」
響 「ううん。でも、今何時かわかる?」
亮太 「ん?あーいや」

   響、スマホを亮太に見せる

亮太 「くう〜6分オーバーかー」
響 「急に呼び出して6分オーバーはむしろ凄いよ。会社で何かあったの?」
亮太 「んーまあ、ちょっとばかし大変なことがあってね」
響 「なになに?」
亮太 「いや別に話すようなことでもないよ」
響 「相談乗るけど?」
亮太 「大丈夫。会ったばっかりで話す事でもないし、それに今は忘れておきたい」
響 「・・・そっか。じゃあ忘れちゃお」
亮太 「・・うん」
響 「嫌なこと全部この雨と共に流されるのだから」
亮太 「(ポケットを確認して)・・あれ?俺財布どこやったっけ」
響 「え?失くしたの?」
亮太 「(リュックの中を確認して)えーと、あ、あったあった」
響 「おどかさないでよー。財布も嫌なことと一緒に流されたと思っちゃったじゃん」
亮太 「いや、いつも(ズボンを軽くたたく)ここのポケットかリュックの小さなポケットに入れてるんだけどさ。どっちにもなかったから。飲み物買ったときに大きいポケットに入れちゃったんだったわ」
響 「次からは私をおどかさないよう気を付けて」
亮太 「はい、気を付けます将軍」
響 「よろしい。(空を見て)雨やまないねー」
亮太 「(空を見て)こんなに降ってたっけ?」
響 「ってか今日雨予報なかったよね?」
亮太 「なかった」
響 「はあ〜信じたせいで裏切られた」
亮太 「まあ、まだ挽回のチャンスはあるからさ天気予報も」
響 「いや〜やっぱり折りたたみ傘は持っておくべきか?」
亮太 「傘持ってきてないの?」
   響、にやりと笑う
亮太 「その顔は持ってない顔だな」
響 「よくわかったね」
亮太 「わかるよ〜演技上手いね」
響 「サンキュー。そっちは?」
亮太 「見ての通り?」
響 「どっち?」
亮太 「持ってないよ。なんで?」
響 「いや折りたたみ持ってるかもしれないじゃん」
亮太 「そっか。いや持ってないよ」

   空を見る二人

亮太 「コンビニで傘買ってく?確かあっちの方にあったよね?」
響 「うん。でも思ったよりも遠そうだよ?」
亮太 「(遠くを見て)あー。ここ結構開けてるけど、こっから見えないもんなーコンビニ」

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