硝煙。

硝煙。 ver.20254010(第1稿)

 あっちが勝手に攻めてきたんです。いや、貴方達が言うことを聞かないから攻めたんです。全く関係のない民間人がたくさん死んだんですよ。そっちの政府が悪いじゃないですか。そっちが悪い。貴方達が悪い。悪い。悪い。本当に悪いのは、だぁれ?

登場人物
 ミハイル    少年 主人公。中学3年生。

 フィラート   兵士 男
 アリスタルフ  大尉 男
 ローマン    兵長 男
 カレリーヤ   補佐 女
 スタニスワフ  曹長 男

 アリシア    少女 女
 ナタリア    母親 女
 
 イヴァンナ   姉  女
 敵兵      ウアルキナ兵 不定
 兵隊      シネア兵   不定


 
    ◯幕が上がる。
    ♪音響M-
    上手花道から、少年が逃げてくる。あちらこちらから声がする。
    なんとか逃げ切って、舞台中央に座り込む。疲労困憊してる様子。
    下手花道、少女が鼻歌を歌いながら舞台中央へ。
    少女、少年に気付く。怯えながらも近づく。

少女  …兵隊さん?
少年  ……いや、僕は。
少女  もしかして、あなた…シネアの人?
少年  …うん。
少女  なんでここにいるの?
少年  ………逃げ出してきたんだ。
少女  …そうなんだ。
少年  ……君は誰?
少女  アリシア。15よ。あなたは?
少年  ……ミハイル。君と同い年。
少女  ミハイル…なんで兵に入ってるの?
少年  言いたくない……でも、本当は学校で勉強したい。
少女  そう。私もね、本当は学校で勉強したいの。
少年  何で行けないの?
少女  小さい弟がいて、両親は仕事に出てるから。面倒見れる人がいなくて。
少年  …大変だね。シッターとか雇わないの?
少女  そんなお金あったら、都会に引っ越したいな。
少年  …ごめん。
少女  いいよ、気にしないから。それに、ミハイルも大変でしょ?
少年  君に比べれば全然だよ。僕が悪いから…
少女  ……?ミハイルって、悪い人なの?
少年  いや、別にそういうわけじゃ...。
少年  ……そうだよ。僕は悪い人だ。
少女  そっか、銃持ってるもんね。悪い人だ。
少年  ……怖くないの?
少女  怖い?
少年  だって、僕、銃持ってるんだよ。やろうと思えば、君のことだって殺せるんだよ。
少女  怖くないわ。あなたは私と同い年で、今もこうやって話してるじゃない。
少年  … 。
少女  …でも、もし私のことを殺したら、弟が悲しむわ。まだ二歳なのに、食べ物も与えられず夜まで一人ぼっち…あぁ、可哀想。 
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