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サボり組伝説

【登場人物】

　大野　雅（おおのみやび）
　佐藤　梢（さとうこずえ）
　寺島　涼子（てらしまりょうこ）
　平山　あずさ（ひらやまあずさ）
　吉森　留美（よしもりるみ）

　岩清水先生
　日直の真理ちゃん
　松葉先生（声のみ）
　留美の担任の先生

【１】プロローグ
　　　　　　　　　初夏のある日。
　　　　　　　　　それは良く晴れた、午後一時頃のこと。
　　　　　　　　　一人の少女が校舎を見上げて立っている。
　　　　　　　　　取り壊しの決まった古い校舎。
　　　　　　　　　それは彼女にとって、
　　　　　　　　　最も大切な記憶の一部分の舞台となった場所だった。
　　　　　　　　　なくしたくない大切な記憶の―――。

雅　　　　･･･私もいつか･･･あなたを忘れてしまうのかな？

　　　　　　　　　風が吹く。
　　　　　　　　　そして思い出されるのは懐かしい過去。
　　　　　　　　　あれもこんな、よく晴れた夏の始まりの日であった。

【２】
　　　　　　　　　二〇××年、初夏。
　　　　　　　　　県立ヒロガネ高等学校。
　　　　　　　　　この校舎は、去年完成したばかりの新校舎である。
　　　　　　　　　そこの屋上に、大野雅と寺島涼子がいる。
　　　　　　　　　六月六日木曜日、三時間目のことである。
　　　　　　　　　やがて授業開始のチャイムが鳴る。
　　　　　　　　　平山あずさと吉森留美がやって来る。

あずさ　　やっほぉ～☆
雅　　　　お、来た来た、サボり組。
留美　　　そっちだって同じじゃない。
涼子　　　まぁね。
あずさ　　早かったね～。
涼子　　　何てったって楽園だからね。
雅　　　　ねぇきいてー。うちのクラス次数学だよ？　もうありえないしー。
あずさ　　あたしも数学きらぁい。
雅　　　　やっぱ？
あずさ　　でもわかった時楽しくなぁい？
雅　　　　え、ホントに？　ありえないよ。
涼子　　　うちは次英語。あの先生何言ってんのかさっぱりだし。
留美　　　二組って先生誰？
涼子　　　小島小島。
あずさ　　え、あのせんせぇ？
涼子　　　そう、あいつ意味わかんなくない？
あずさ　　わかんな～い。

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