華月の宝箱
華月の宝箱
〈cast〉
華月(かづき)…姉
花日(はなび)…妹
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春休み。華月の部屋で花日が引っ越しの手伝いをしている。
荷造りは終盤で、いくつかのダンボール箱が無造作に置かれている。
二人が魔法少女の変身アイテム(子どもの手作りっぽいものでも○)を持って、ポーズをとっている。
華月「ハートフルクリスタル・スタンバイ!」
花日「ワンダフルクリスタル・スタンバイ!」
二人「メタモルフォーーゼ!!」
華月「かわいくてつよい、さいきょーのせんし!はーと♡みらくる‼」
花日「かっこよくてきれいな、むてきのせんし!すたー☆みらくる‼」
二人「えいきゅーふめつのみらくる・ついんず!ここに参上!」
決めポーズ(キュピーン☆)
素に戻って笑う二人
華月「なつかしー!結構覚えてるもんだね」
花日「一生懸命考えてたもん。やっぱ魔法少女ってさ、乙女の永遠の憧れって言うかさ
ー、ね?」
華月「乙女って」
花日「乙女でしょー?」
華月「まあ、わからなくもないけどさ」
花日「でもさ、華月、絶対ハートミラクル譲ってくれなかったよね」
華月「なによ、ちっちゃいころの話なんだから別にいいじゃん」
花日「お姉ちゃんなんだから譲ってくれてもよかったじゃん」
華月「お姉ちゃんでも譲れないこともあるんです!」
花日「ちっちゃいころはさ、呪文唱えれば本気で変身できるくらいの気でいたよね」
華月「うん、めちゃくちゃかっこよく変身してると思ってた。でも大人になってやってみると…」
二人「だっせぇー!」
華月「『かわいくてつよいさいきょー』って語彙力無さすぎっていうか」
花日「自分の思うキラキラした言葉を詰め込んだってかんじ」
華月「でも楽しーっ!」
花日「うん、楽しー!」
華月「いつもお父さんが敵の役やってくれてたよね」
花日「やらせてた、とも言えるけどね」
華月「いいじゃん別に。ノリノリだったし」
花日「まあね。んでもって、私たちがお母さんを守るって設定で…」
あの頃に戻って
華月「『でたな!おとうさんせいじん!』」
花火「『おかあさんには、ゆびいっぽんふれさせないわ!』」
華月「『はーとふる♡ぱーんち‼』」
花日「『すたーらいと☆きーっく‼』」
華月(お父さんになって)「『やーらーれーたぁ(棒)』」
花日「似てる!」
華月「あの時わりとマジで攻撃してたよね」
花日「本気だったから。でも、さすがに痛かっただろうな」
華月「しかも毎日やってたし、さすがにちょっとかわいそう‥」
花日(リビングルームの方向へ)「お父さんあの頃はごめんねーー!遊んでくれてありがとー!」
華月「聞こえてないって」
花日「聞こえたら言わないもん」
華月「そっか、じゃあ私も。ありがとー!」
二人笑う
花日「んで、これどーする?」
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