盲目な人々
盲目な人々 れもん
あらすじ
“見ること”ができない民族の中で、唯一視力を持って生まれた少女・イチ。孤独の中で「同じように見える誰か」の存在を信じた彼女は、視覚を通して世界と繋がろうとする。しかし、視覚を得ることで分かり合えるはずだった友人が見たものは、恐ろしく、醜い現実だった。
■ イチ(主人公)
• 本作の語り手。視力を持って生まれた少女。
• 盲目の民族の中で唯一「見える」ことを苦しみ、孤独を感じている。
• 視覚で感じる世界に魅了され、本を通じて「自分と同じような存在」がいることに気づく。
• 他人と“本当に分かり合う”ことを渇望している。
■ アル(一番上のお姉ちゃん)
• 三姉妹の長女で、しっかり者。
• 視力は持たないが、白杖を使いこなし、家事や料理も器用にこなす。
• イチを深く思いやっており、理解しようと努力するが、「見える」ことを共有できないもどかしさを抱える。
■ サン(三番目の妹)
• 三姉妹の末っ子または弟的存在(性別不明瞭だが男性的に描写されている)。
• 快活で単純、やや雑でぶっきらぼうだが家族思い。
• 視覚を得ることに否定的で、「そのままで分かり合う努力をすべきだ」と主張する。
■ トモ(イチの友人)
• 学校の親友で、イチを理解しようとする優しさを持つ。
• 視力はないが、イチとの距離を縮めたい一心で手術を志願。
• 視覚を得た直後、現実の世界に圧倒され、恐怖と拒絶を示す。
■ サリー(AIまたはナビゲーション・システム)
• アルの補助役として登場。音声で会話し、学術情報や印刷機能などを提供する。
• 感情はなく、機械的に行動。
ナレーター
みなさんは知っていますか?ずーっと遠くに今も、物を見ることができない民族が住んでいたことを。これはそんな民族に生まれた視力を持ったある少女の話。
(白杖をもって活動をしているアルとサンがいる)
イチ「暇だなー。」
(立ち上がり歩き出すと丁度アルとぶつかる。)
アル「いたっ。気をつけてよ。」
イチ「ごめん、姉さん」
アル「あれ、イチ杖を持っていないのかい、ダメじゃないか。危ないよ。」
サン「よくそれで歩けるよな。どうなってるんだよ。」
イチ「だから見えるんだって、空間が手で触らなくても、耳で聞かなくても」
サン「不思議だなぁ、俺にはわかんねぇやその感覚。」
アル「今日は空気が甘く感じる。さっさと朝ごはん食べて出かけよう。」
(三人で談笑しながらご飯を食べる)
(アルがお弁当を作りに席を立つ。)
イチ「お弁当?私も手伝うよ」
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