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トキニコ三姉妹

トキニコ三姉妹

七海美鈴(ななうみみすず)
七海朱莉(ななうみしゅり)
七海菜々花(ななうみななか)

舞台は一般家庭のリビング。
菜々花(大学生)がテーブルでレポートをやってる。
難しいのか頭を抱えている。

声「宅配便ですー」

美鈴「(奥から)はーい」

美鈴、段ボールを持ってくる。
中から梱包された荷物を取り出す。

菜々花「届いたの？」
美鈴「ふふ〜ん、じゃーん！」

"HAPPY"と印字されたクソダサいピンクの法被を取り出す。

菜々花「でた〜〜」
美鈴「可愛い〜」
菜々花「お姉ちゃんだけだよ、そう感じるの。相変わらずダサッ。」
美鈴「なんでよー！可愛いじゃない。ほら、ここに、HAPPYって書いてある。法被、だから、HAPPY！」
菜々花「説明しないで辛くなるから」
美鈴「いい？これは、町内会のデザイン担当の片桐さんが夜も寝ずに考えたデザインなのよ。そんな言い方しちゃダメ。」
菜々花「片桐さん天才過ぎてズレてるんだよなぁ。」
美鈴「バカに出来ないわよ。片桐さんの作った本とか結構人気あるんだから。」
菜々花「そんなこともやってるんだ。」
美鈴「朱莉もセンスいいって言ってたわよ。芸大卒がそう言ってるんだから間違いないわよ。」
菜々花「芸術わからんな〜。」
美鈴「今年も盛り上がるといいなぁ、トキメキニコニコ祭り」
菜々花「それよ」
美鈴「どれ？」
菜々花「そのネーミングも片桐さん？」
美鈴「もちろん」
菜々花「恥ずかしいんだよ…。友達誘うのもさ…。」
美鈴「なんで？？トキメキだよ？？ニコニコだよ？？ポジティブじゃない！明るい気持ちになるじゃない！！」
菜々花「単品でもダサいのに、掛け合わせでダサさ飽和状態だよ！」
美鈴「朱莉は気に入ってたよ」
菜々花「なんて？」
美鈴「"こんなに明確なコンセプトかつ、勇気あるネーミングはない！それを地区の予算という公的資金で実行に繋げるのは、仕掛人のおおいなる知性と思い切りによる優れた仕事だ！"」
菜々花「見方が一般的じゃないんだよなぁ。で、朱莉姉いつ帰ってくるの？宿題見て欲しいんだけど」
美鈴「なによー、レポートなら私が見てあげるのに」
菜々花「私の成績なんだと思ってるの？」
美鈴「どういう意味？？」

朱莉「ただいまー」

菜々花「お帰り〜！待ってたよ」
朱莉「あ、届いたんだ！」
美鈴「可愛いでしょ〜！」
朱莉「うん、可愛い。HAPPY…！凄い。相変わらず凄いインパクトだ。」
菜々花「ね、朱莉姉、レポート教えて」
朱莉「AIに聞いたら？あたし忙しいのよ」
菜々花「あたし無課金だから、使いきっちゃってるのよ。ねー、お願い。」
美鈴「私が教えてあげるって言ってるのに〜。」
朱莉「それは不安だな。何がわからないの？」

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