七夕の流星雨。
『七夕の流星雨。』

七夕と宇宙を題材としたソフトSF会話劇です。
宇宙と地球、離れ離れになった恋人たちのお話。
テイストはなんか洋画風のような、セカイ系のようなそんな作品です。

☆あらすじ★
宇宙開発が進んだ世界。亜光速航行宇宙探査船『ゼウス』の乗組員フェリックスと、彼を見送り地球に残った恋人レベッカ。光の早さで繋がる二人の想いは、広大な宇宙の中では次第にずれていく。

★ちゅうい☆
微妙に造語があるのでノリと勢いで適当に読んでください。

★登場人物☆
レベッカ:レベッカ・星見・フォークナー
恋人フェリックスの帰りを待つ。

フェリックス:フェリックス・ウェーバー
宇宙飛行士。火星近傍から小惑星帯へ向かう。

 ☆★☆★☆
  
  着信音。
  レベッカ、端末に表示された通話をタップする。
  ポップアップされたホログラムにフェリックスの顔が映る。

フェリックス:ハロー、地球人。こちら火星人のフェリックスだ。元気してるかな?
レベッカ:ハロー、火星人さん。こちら地球のレベッカ。どうぞ。

  ホログラムの向こうのフェリックス、固まっている。

レベッカ:なんて、どうせ返事が返ってくるのは26分後でしょう? 最初からビデオで良いんじゃ無い?
フェリックス:それも良いけど
レベッカ:きゃあっ! もう!
フェリックス:フレッシュさが欲しいだろレベッカ?
レベッカ:もう、おどかさないでよ! なに、どういう手品? いつもは宇宙規模の遅延に悩まされてるところじゃない?
フェリックス:知らないのかい? レベッカ。
レベッカ:あんたがベッドに靴下かけてることなら知ってるけど?
フェリックス:ほう? それには何が入ってるんだい?
レベッカ:指輪、じゃ無いことだけは確かでしょうね。
フェリックス:あー、そうだね、残念ながら。
レベッカ:あっそ。
フェリックス:何だと思う?
レベッカ:さぁ、ジークの、
フェリックス:ジークのお気に入りのポルノ雑誌でも無いからな?
レベッカ:ねぇ、それほんとどうやってんの? 魔法使いにでもなった?
フェリックス:そうだね、魔法かも。
レベッカ:宇宙飛行士が魔法? NASAはオカルトにまで手を出したの?
フェリックス:NASAは昔からオカルトに手を出してるよ。じゃなきゃ火星まで行こうなんて思わないよ。
レベッカ:言えてる。それで、宇宙人改め火星の魔法使いさん。
フェリックス:なんだい、地球のお姫様。
レベッカ:それって、ほんと……何なの?
フェリックス:さぁ? 当ててみてよ。
レベッカ:ヒントは?
フェリックス:ヒント。これは光通信。
レベッカ:通りで眩しいと思ったわ。
フェリックス:ああ、まるで君は女神だよ。
レベッカ:そうよ、知らなかったの?
フェリックス:気付かなかったなぁ。
レベッカ:火星までは13分だっけ?
フェリックス:そう、僕を乗せた亜光速航行宇宙探査船『ゼウス』までは13分。
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