またね。
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ゆっくりと起き上がり、座る
辺りを見渡し、一箇所で目を止める

「……ああ、なんだ。また来たの。」
「そんなところで突っ立ってないでさ、座りなよ。」

相手が座るのを待つ間

「久しぶり、ではないね。昨日も会ったし、一昨日は二度も会った。」
「君が来ると、身体が重くなるから嫌だよ。負のオーラって言うのかな。なんとかならない?引っ込めたりさあ。」
「……そ、ならないの。じゃあ仕方がないか。」
「座れとは言ったけどさ、もう少し離れてくれない?」
「うん。あー、もう二、三歩そっち。あんまり張り付かれると、苦しくて仕方ないからね。」

深呼吸、伸びをする

「で?今日はどうして来たの?」
「ねえ、死にたい気持ち君。」

相手は首を横に振る

「ふーん。特に理由は無いんだね。まあ、そんな事もあるよね。」
「……だから、近いってば。だんだん近づいてくるのやめてよ。重たくて動けないじゃん。」

相手が肩にもたれかかっている
しばらくの間

「『追い返さなくて良いの?』って?」
「はは、追い返そうとすれば、帰ってくれるの?」
「……良いんだよ。もう慣れたから。」

相手が目を塞いでくる(独り芝居なら目を瞑る)

「目を塞ぐの?君、それ好きだねえ。」
「まあ、そうだよね。そうしてしまえば、僕は君しか見えなくなるから。」

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「おんぶ?それも好きだねえ。」
「重さで動けなくなってしまえば、考えることに集中するしか無いからね。」
「でも、動けなくなるのは悪いことばかりじゃないね。そのおかげで、僕はまだこの世界に留まっていると言っても過言ではないからさぁ。」
「そう考えると、君は僕を守ってくれているとも言えるのかもね。」
「『嫌わないのか』って?」
「それももう、何回聞かれたんだろうね。何しろ、長い付き合いだからさあ。」
「……嫌いだよ。会わない方が、触れない方が良いに決まってる。」
「でも、良いんだ。死にたがることは、生きることの第一歩だから。」

相手、背中から降りる

「もう帰るの?」

相手、頷く

「そう。それならそれで良いんだ。」
「君はいつも長居しないね。」
「『君の傍に長く居たら、壊してしまうから』?」
「はは、確かにそうだねぇ。」
「うん、また来たら良いよ。」
「……いや、嘘だね。来なくて良いよ。」
「まあ、でも。来たら来たで仕方ない。その時はその時だよ。」

相手、しゃがみ込んで、じっと目を合わせる
相手の頭(があると想定される場所)に優しく手を置く

「……うん、じゃあね。」

相手、立ち去る
しばらく見届け、ゆっくりと視線を戻す
「……ああ、そっか。お腹が空いてたんだった。」
「そういえば、眠たいんだった。」
「観たい映画があったんだった。」
「会いたい人も居るんだった。」
「……なんだ。僕はちゃんと、生きたい人間じゃないか。」


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