脚本ダウンロードサービス

喫茶店戦争（Ｒ）

喫茶店戦争Ｒ

Ａ　　　喫茶店のマスター。カフェラテが好き。

Ｂ　　　探偵。カフェオレが好き。

Ｃ　　　旅行人。エスプレッソが好き。

Ｄ　　　ボス。マックスの上司。アメリカンコーヒーが好き……と見せかけて、実は缶コーヒーが好き。

Ｅ　　　マックス。ボスの部下。甘い缶コーヒーが好き。

Ｆ　　　常連客。カフェモカが好き。

　　　　　　　　◆とある喫茶店にて

Ａ「いらっしゃいませ。
Ｂ「いやぁ。寒い、寒い。マスター、いつもの。
Ａ「かしこまりました。

　　　　　　　　Ａ、ミネストローネの準備をする。

Ｂ「いやぁ参ったね。ニュース、見たかい。
Ａ「……ニュース、ですか？
Ｂ「……ニュースだとも。
Ａ「いえ、最近はテレビも見なくなりまして……。
Ｂ「そうかい？いやな、この間、お天気キャスターがすまし顔で言ってやがったんだ。“今年の冬は、暖冬になりそうですぬェ～。”それがどうだ、この冷え込みのどこが、“暖”なんだろうな。これじゃ──暖冬の反対って、なんだ？
Ａ「……寒冬（かんとう）？
Ｂ「……寒い冬と書いて？
Ａ「寒冬？
Ｂ「そうか……？いや、そうなんだろうな。それだァ！ってやりたかったんだが、なんかしっくりこないな。空気まで冷えちまった。
Ａ「はい、おまちどうさま。いつもの。
Ｂ「うぉ。待ってましたァ。

　　　　　　　　Ｂ、提供されたミネストローネの香りを嗅ぐ。

Ｂ「あぁ──僕はこの香りを嗅ぐ瞬間。生きててよかったって感じるんだよなァ。（飲む）
Ａ「ありがたいお言葉ですけど、もうちょっと別のところでも幸せ感じてくださいね。
Ｂ「いやぁ。冷えた空気まで温まる。マスターのミネストローネは日本一、いや、世界一だな。
Ａ「またまた。
Ｂ「本気だぜ。しかし、もったいないよなァ。こんな銀河イチ美味いミネストローネがあるって言うのに。

　　　　　　　　Ｂ、店内を見回す。

Ｂ「……大丈夫、かい。マスター。
Ａ「……大丈夫、とは。
Ｂ「……いやなに。閑古鳥的な意味だよ。
Ａ「おかげさまで。ぼちぼち、なんとかやっていますよ。
Ｂ「そうは言ってもさァ。

　　　　　　　　ドアベルが鳴る。

Ａ「ほら。
Ｂ「悪かったよ。
Ａ「いらっしゃいませ。

1/22

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで！