浜辺の告白(練習場)
コント「浜辺の告白(練習場)」
【あおり文】
夕暮れの浜辺に響く、波の音。
切なくも美しい思い出話を、彼女はひたすら語り続ける――。
観客をしんみりと引き込み、恋愛ドラマのように始まる舞台。
だが、その相手は――まさかの「知らない人」。
ここから始まるのは、愛と別れを“笑い”へと変えていく恋愛コント集。
その幕開けを飾るのは、真剣さとズレが織りなす、奇妙で鮮烈な告白劇。
「5年後かぁ……」
彼の無言と一言が、あなたの心を揺さぶる。
――コント「浜辺の告白(練習場)」。
しんみりから爆笑へ、感情を振り幅ごとさらっていくオープニング・アクト。
【失恋コント集をやる上での、当コントの役割】
失恋コント集の最初の1本目の話。
しんみりとした雰囲気の中で始まり、最初は恋愛ドラマのワンシーンのような芝居で
観客の集中力と感情を引き付ける。
最後のオチで「えっ!?」と驚きを示した後で、
畳み掛けるように芝居の口上をまくし立てる。
それによって、芝居性と力強さ、両方を併せ持った
「失恋のコント集」なのだと、いうことを観客に理解させるのだ。
【登場人物】
・美咲(みさき):女。別れ話を「練習」しているような自由人。
思い出を語るシーンは本気で芝居する。観客をしんみりさせる演技が肝。
しかし、太郎とはまったくの赤の他人。
遠くでも別の男に同じ「告白&別れ話」を繰り返している。
・太郎(たろう):男。冴えない感じのメガネの男。
美咲に一方的に長い思い出話をされるが、まったく心当たりがない。
無言で海を見ている。
最後に「知らない人」と淡々と告げる。
それでも「5年後かぁ…」と、まんざらでもなさそうにしてしまうズレキャラ。
恋愛経験がほとんどない。
・賢介(けんすけ):太郎の友人。空気を読んで後から登場。ツッコミ役。
美咲が「別れ話を別の男に繰り返している」ことに気づき、事態を説明する。
【脚本】
場面は砂浜。波の音がザザーッと響く。夕暮れ。遠くにカモメの声。太郎が砂浜に座り、ぼんやりと海を見ている。
そこに美咲がゆっくり歩いてきて、隣に腰を下ろす。
静かにBGMが流れ始める。
美咲、柔らかく、噛みしめるように、
美咲「海って、落ち着くよね。でも、なんだか大き過ぎて、吸い込まれちゃいそうで、なんか怖い。
なんかこういうの、久しぶりすぎて。……ああ、ごめん、ちょっと緊張してるみたい。」
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