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チョコレートはどこだ？！

「チョコレートはどこだ？！」
登場人物
吉田隆志（よしだたかし）
山崎健太郎（やまさきけんたろう）
落合優斗（おちあいゆうと）
女子生徒
天の声

〈舞台は教室。舞台奥側にチョコレートが乗った教卓があり、何個か机と椅子が置いてある。３人は教卓の前で輪を描くように床に座っている。〉
天の声：（淡々と語る）時は２０××年。２月１４日。午後１５時４７分。千葉県立坂野原高等学校。がらんとした教室に３人の男子生徒が、何やら神妙な面持ちで残っていた。
山崎：（問い詰めるように）おい、吉田！今日の放課後は３人でランニングする約束だよな？なんで急に呼び出したんだよ？
落合：（驚きながら）え？ラ、ランニング？！いや、今日は吉田の家でゲームする約束じゃないの？！
山崎：ゲームは中止だ！俺は走りたいんだ！だから走るぞ！吉田、おっちー！
落合：（慌てながら）そんな急に言われても困るよ！
山崎：（落合をいじるように）ん？なんだ、おっちー？ビビってんのか？
落合：そ、そんなことは…。よ、吉田も急にランニングなんて言われたら困るよね？！
吉田：（小声で）…野郎
落合：ん？何て？
山崎：おい！ちゃんと言わなきゃ聞こえねぇぞ！男らしくハキハキ話せよ！
吉田：（大声で）馬鹿野郎って…言ってんだよー！！
―吉田が山崎をビンタし、山崎が吹っ飛ぶー
落合：う、うわぁー！山崎―！な、何してんだよ吉田！
―吉田が落合の方を向くー
落合：ヒィッ！
吉田：（圧をかけながら）おっち〜…。お前は今日が何の日か知ってるんだろうなぁ？
落合：え？！きょ、今日？今日は…
吉田：今日は〜？
音響：心音
落合：（自信を持ちながら） NISAの日だ！
吉田：（怒りながら）それは２月“１３日”だ馬鹿野郎―！
―吉田が落合をビンタし、落合が吹っ飛ぶー
吉田：（呆れ）はぁ…。ここには馬鹿しかいねぇのかよ！
―吹っ飛ばされた山崎が立ち上がるー
山崎：ま、待て！
―吉田が山崎の方を向くー
吉田：あぁん？
山崎：俺は…まだその問いに答えていない…！
吉田：フッ…。良いだろう（山崎に期待しながら）。さあ、答えるんだ山崎！２月“１４日”は何の日だ？
山崎：２月１４日は…！
音響：心音
山崎：（自信を持って）ふんどしの日だ！
―沈黙が流れるー
吉田：や、やま「ざ」き…。
山崎：やま「さ」きだ。
吉田：山崎…
山崎：（勝ち誇ったように）フッ…。完全勝利なようだな。吉田。じゃあ、共にランニングを…
吉田：（山崎の言葉を遮るように）そうだけど！確かにふんどしの日だけど！でも、そうじゃねぇだろー！
―吉田がさっきよりも強めに山崎をビンタし、山崎が吹っ飛ぶー
吉田：はぁ…はぁ…。どいつもこいつも適当なことばっかり言いやがって！
―吹っ飛ばされた落合が起き上がるー
落合：（ガラガラ声で）よ、よじだ…。結局今日って何の日な…
吉田：（怒りながら）うるせぇ！黙ってろ！
落合：そ、そんな辛辣な…
―起き上がっていた落合が横になるー
吉田：（呆れながら）はぁ…。しょうがねぇから言ってやる！今日は２月１４日！バレンタインだ！（ハキハキと）バ・レ・ン・タ・イ・ン！（ネイティブに） Valentine's Dayだ！
―山崎と落合が起き上がるー
山崎、落合：（驚きながら）バ、バレンタイン？！
吉田：そうだ！（ネイティブに）「Valentine's Day」だ！だから、一つ賭けをしよう！「放課後までに女子からチョコレートを貰えた奴の勝ち！」っていうな！
落合：…でも、もう放課後だよ？
山崎：部活のある奴以外はもう帰っちまったぜ？

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