さよなら、墓魔先生
コント
コント『さよなら、墓魔先生』作:第三字宙 約5分(約1700文字)

登場人物:
墓魔(ぼま)先生(30代・常に笑顔。教育への情熱が危険)
生徒A(熱血・感情先行)
生徒B(冷静・理詰めのツッコミ)
生徒C(天然・空気読まない)

夕暮れ、校門前。暖色照明、静かなBGM。鞄を手に颯爽と歩く墓魔先生。駆け寄る生徒たち。

墓魔先生「(颯爽と)みんな、来てくれたか」
生徒A「先生っ! どこ行くんだよ?」
墓魔先生「行くよ。私はもう、やるべきことをやり終えた」
生徒B「やり終えた? 逃げるんですか?」
墓魔先生「(やりきった顔で)私はもう、ここで教えることはない。今日の授業で、君たちは“完全”になった」
生徒A「そんな無責任な!」
生徒C「先生の授業、忘れません!「生きる力を育む実践演習」!」
墓魔先生「・・・嬉しいな」
生徒C「避難訓練で水鉄砲。天井から網が落ちてきたのもそうでした!」
墓魔先生「(胸を張る)そうだ。“予測不能な事態への対応力”を体で学んだろう」
生徒A「いや、あれ、救急車来たぞ!」
墓魔先生「教育とは、危機を通じて人を育てることだ!」
生徒B「無茶言わないでください、私たち、先生がいなかったら・・・!」
墓魔先生「君たちはもう大丈夫。私は次の学校へ行く」

先生が歩き出す。Aが腕をつかむ。

生徒A「ちょっと待てよ!」
墓魔先生「ん?」
生徒B「(詰め寄る)先生、朝に言いましたよね?「今日は最高の授業をする」って」
墓魔先生「言ったかな・・・?
生徒A「言った! 「面白いからやろう」って!」
生徒C「あの笑顔、今思えば怖かったです」
墓魔先生「でも、面白かったろ?」
生徒C「はい、面白かったです」
墓魔先生「そうだろう。まさか、それが最後の授業になるとはね」
生徒B「その言い方、不穏すぎる!」
墓魔先生「昔の偉い人も言ってた。“教育は爆発する”ってね」
生徒A「・・・は? 爆発ってまさか・・・だから爆弾を!?」
墓魔先生「(笑顔のまま)ああ、そうだね」

BGMが止まり、照明が寒色に変わる。

生徒A「そうだね、じゃねえよ!」
生徒C「(ぽかん)爆弾って、あの爆弾ですか?」
生徒B「本気で仕掛けたんですか!?」
墓魔先生「本気の授業だ。“生きる力・最終章”だ!」
生徒A「勝手に完結すんな!」
墓魔先生「危機の中にこそ学びがある。爆弾ほど人を成長させる教材はない!」
生徒B「教育方法が物騒すぎます!」
墓魔先生「(時計を見て)あと30分…いや、“30分前”だった」
生徒A「過去形!? 今どうなってんだよ!」
墓魔先生「今は……たぶん、30秒くらいかな」
全員「短っ!!」
生徒A「早く解除方法教えろ!」
墓魔先生「ダメだ、それは“自分で導く課題”だ!」
生徒B「そんな自由研究いらない!!」
生徒C「(真剣に)赤い線を切る!」
墓魔先生「いいね!定番だ!」
生徒B「線なんてない!!」
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