Q&A
登場人物
天津エリカ(あまつえりか) 14歳、自殺。
姫川桜(ひめかわさくら) 享年15歳。病死。
1
エリカ、下手入り(ボーっと歩いている感じで)
エリカ :「・・・あれ?」
桜、上手入り
桜 :「え?これ何が起きてるの?」
エリカ :「それはこっちのセリフ!てかあんた誰?ここどこ?」
桜 :「私は姫川桜!15歳ね。ここがどこか、か。それを教える前にまずあなたのことを教えてよ!」
エリカ :「エリカ。14歳。言ったから教えてここどこなの。」
桜 :「質問に答える前に一ついい?別にしてほしいわけじゃないんだけど・・・まさかあなた、普段から年上の先輩相手にタメ口とかしてないよね?」
エリカ :「してないよ!私だって社会で揉まれてきたの。ただ、なんとなく、桜にはあったことある気がして。」
桜 :「あー!親近感ってやつ?申し訳ないけど私、エリカちゃんみたいな落ち着きないよ。」
エリカ :「そんな感じだよね。で、ここどこ?」
桜 :「そこは否定してよ。えっと・・・知らぬが仏って言葉知ってる?」
エリカ :「知ってるけど、それとこれとは話が別でしょ?」
桜 :「いやいや、本当にそうなんだって!」
エリカ :「ふーん。で、ここどこ?」
桜 :「話聞いてた?こんな子がいるなんて、きっとあなたの保護者や先生方は苦労したんでしょうね。」
エリカ :「・・・。」
桜 :「はあ。聞いた自分も話した私も恨まないでね。ここは、えっと、まあ、言ってしまえば、あの世、かな?」
エリカ :「あの世?それ、ほんと?ってことはこの椅子に座ったら、現世に帰れるとか?」
桜 :「え?じゃあここに2脚あるし私たちちょうど2人。やったー!私たち生き残ったんだ!」
桜、座る。
間
桜 :「違う違う違う、そんなわけないじゃん。これただの椅子。なんであの世でデスゲームなんてしないといけないのよ!ってか、その理論だとあなた座ってないから死んじゃうよ?」
エリカ :「うん、それでいいよ。私ずっとここに来たいって思ってたから。」
桜 :「変な子。じゃああれか。エリカちゃんはここに来ようと思って来たって感じか。」
エリカ :「うん。だから怪我とかもしてないんだ。あの世ってすごいな。というか桜はなんでここにいるの?」
桜 :「私?うーん、死んじゃった、から?」
エリカ :「いやその、なんで死んだの?ってこと。」
桜 :「病気、かな?まあ覚悟してたんだけどねー。あ、ごめん。この話やめよっか。ここに来たいって思ってた人には煩わしい話でしょ?」
エリカ :「いや、じゃあ教えて。生きるのが楽しいってどんな感じなの?」
桜 :「逆に生きるのが辛いからって早くここに来ちゃう心理を私は知りたいよ。よし!お互い教え合おう!」
2
エリカ、台に座る(というか桜が座らせる)
桜 :「じゃあ私からね!生きてると確かにあー嫌だなーって日もあるってのは分かるよ。でもさ、そのあとの楽しみとか想像しない?」
エリカ :「楽しみ?」
桜 :「例えば、桜を見ることとか!夏は花火と桜、秋は紅葉と桜、冬は雪と」
エリカ :「(遮って)ちょっと待って。桜見るって春だけじゃないの?」
桜 :「え?だって、桜はそこにあるじゃん。」
エリカ :「え?」
桜 :「花は咲いてなくても花。なんか偉い人がそんなこと言ってたからなんとなく信じてるんだ。だっていつでも何かを楽しめるってなんかよくない⁉」
エリカ :「へー、くだらない。」
桜 :「くだらないなんて失礼だな。今すぐその偉い人に謝ってきてよ!そういえば、まだ花火見てないな。」
エリカ :「え?ああ確かに。まだどこもお祭りやってないね。」
桜 :「高校入れたからまだまだ大丈夫と思ってたんだ。高校入って、友達もできた。初めてってわけじゃないけど、やっとみんなと一緒に色んなところに行って、お花見もして、花火大会にも直接行けるって思ったんだけどな。」
エリカ :「え?てことは今まで話してたのって」
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