ずっと虫がついてくる
コント
コント『ずっと虫がついてくる』作:第三字宙 約4分(約1600文字)
登場人物:
林(神経質そうな雰囲気、スマホヘビーユーザー)
岡本(のんびりした性格、やや天然)
街角の待ち合わせ場所。ベンチ、街路樹が見える。晴れた昼下がり。林がしきりに手を振り回し、顔の周りを払っている。イライラした様子。
林「もうっ! しつこいな・・・あっち行け!」
手を振り続ける林。そこへ友人の岡本が登場。
岡本「待った?」
林「あぁ、いや・・・(手を振り続ける)」
岡本「・・・どうした? なにやってるの?」
林「虫が、ずっとついてくるんだよ」
岡本「あぁ・・・それはうっとうしいね。さ、行こう」
岡本は先に歩き出そうとする。林は動かない。
岡本「・・・おい?」
林「移動してもついてくるから、ここでなんとかする」
岡本「(戻ってくる)そのうちいなくなるでしょう?」
林「(自分の服を嗅ぐ)今日、俺、変な匂いする?」
岡本「(軽く嗅ぐ)いや別に」
林「じゃあなんで虫が・・・(手を止める)あ!」
林、ポケットからスマホを取り出す。
林「通知だ」
林、画面を見つめる。
林「・・・クーポンか」
岡本「あは。ちょっとがっかりするやつ」
林「がっかりはしない。(周りを見回す)・・・あれ? 虫がいない」
岡本「ほんと? よかったじゃん」
林「まさか・・・これが”虫の知らせ”ってやつか?」
岡本「虫の知らせ? それって悪いことが起こる予感のことでしょ」
林「いや、スマホの通知! ほら、赤い丸のやつ」
岡本「ああ、通知バッジね」
林「あれ、虫みたいだろ? ずっとついてくる感じが」
間。
岡本「言われてみれば」
林「で、通知を確認したら虫が消えた」
岡本「それ、ただの偶然じゃ・・・ん?(手を払い始める)」
林「どうした?」
岡本「なんか・・・虫が」
林「え!?」
岡本「虫がこっち来たよ、うっとうしいなぁ!(激しく手を払う)」
林「おい、スマホ見てみろよ!」
岡本「(スマホを取り出す)・・・通知来てる」
林「開けてみろ!」
岡本「(画面をタップ)・・・クーポンだ」
林「虫は?」
岡本「(周りを確認)・・・いない」
林「やっぱり! 虫の知らせだ!」
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