FAVORITE EVE
F A V O R I T E E V E
フェイバリット・イヴ
CAST
:イヴ
:リョウ
:なるみ
:ハカセ
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薄暗い研究所。
音響・雷鳴。合わせて照明・稲光。
イヴ、目を閉じて立っている。
ハカセ、ゆっくり歩いて登場。
ハカセ「(ポーズをつけて)L!O!V!E!ラヴ!そう…愛! ズバリ、愛! クックックッ…ついに…ついに私は完成させた!自立式二足歩行の人型サンタクロースロボット、通称「サンタロイド」…しかぁしっ!今までのガラクタどもとはワケが違う!サンタロイドの中でも最高のクオリティを誇る、「フェイバリット」シリーズ!その最新型試作機! その名もッ!」
イヴ 「ふぁァァァッくしょ―――――い!」
イヴ、くしゃみ。
照明・明転。
ハカセ「…」
イヴ 「あ…アハハハハッ。や、やだなぁも〜ぅハカセったらぁ! あ、アハ、アハハハハ…じゃ、おやすみなさーい…」
ハカセ「待て待て待て待て!」
音響・落雷。
ハカセ「おい音響! 止めろ!」
イヴ 「ま〜たやり直しですかぁー?」
ハカセ「…誰のせいだと思ってるんだ!? だ・れ・のっ!」
イヴ 「ひぃぃいすみませんハカセぇ〜っ!」
ハカセ「…ったく。最新型が聞いてあきれるよ…」
イヴ 「飼い主に似る、って言いますからねぇ」
ハカセ「犬かお前は? …ってどーいう意味だ今のはぁぁーっ!?(頬をつねる)」
イヴ 「ひゅ、ひゅみまひぇ〜ん…」
ハカセ「まあいい。そんなことよりもっ!」
イヴ 「は、はいぃっ! 何でしょうか?」
ハカセ「イヴ。お前の役目は何だ? 言ってみろ」
イヴ 「どうしたんですか? いきなり」
ハカセ「いいから。お前の最・新・型サンタロイドとしての役目は一体何なんだ?」
イヴ 「役目…ですか? えぇーっと…『日本及び世界中の人々に、夢と、希望と、そして愛のプレゼントを配ること』…でしたっけ」
ハカセ「その通り。よく分かっているじゃないか」
イヴ 「えへへ〜。頑張って覚えたんですよぉ〜」
ハカセ「よぉーしよしよしえらいえらいえらい。…って違ぁう!」
イヴ 「は、はいぃぃぃっ!? ま、まだ何か…?」
ハカセ「おい! 助手その1!」
助手その1、黒板を押してきて、退場。
ハカセ「『世界中の人々に、夢と、希望と、愛を。』それは良――――く分かった。私は、そういうコンセプトでお前を造ったんだからな。(ため息)だがな、イヴ。一体どうなってんだ! この成績はぁぁァアッッ!」
イヴ 「はいいいいぃ――――っ! す、すすすっ、すみませえ―――――んっっ!」
ハカセ「先月1ヶ月で、配ったプレゼントがたったの4個だと!? 職務怠慢もいいかげんにしろっ!」
イヴ 「だってえーハカセの地図、分かりにくいんですもん〜」
ハカセ「分かる分からない以前に、いつもお前は地図を忘れていくだろうが…」
イヴ 「だったら、私の身体にナビゲーターをつければよかったじゃないですか。ハカセがケチケチするからいけないんですよぉ?」
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