僕たちのクリスマスキャロル
僕たちのクリスマスキャロル 中島清志 作
〔キャスト〕♂1名 ♀4〜13名
♂ カサマヨシオ(カサマ金融社長)
♀ サクマルリコ(カサマ金融社員)
♀ サクマユミ(ルリコの娘) /フュ−チャ−(未来の精霊)/女2 /主婦C
♀ パ−スト(過去の精霊) /恋人(ヨシオの恋人) /主婦A/通行人
♀ プレゼント(現在の精霊) /母(ヨシオの母) /女1 /主婦B
清らかなクリスマスソング(「聖しこの夜」とか)が流れる中開幕 サクマ家の質素な部屋の中である 布団で寝ているユミにルリコ絵本を読んでやっている
ルリコ「・・・その時素敵な王子様が現れて少女を助けてくれました。こうしてマッチ売りの少女は王子様と一緒に末永く幸せに暮らしました。」
ユミ「え、ママ、違うよ。マッチ売りの少女はクリスマスの朝に死んで天国に行っちゃうんだよ。」
ルリコ「でも、マッチ売りの少女が幸せになった方が素敵でしょ?」
ユミ「うん。」
ルリコ「神様はね、どんな人にも必ず幸せを下さるのよ。」
ユミ「ユミ、元気になってお友達と遊べるようになるかな?」
ルリコ「もちろんよ。ユミちゃんがいい子にしていればね。神様はいつでもよく見ていらっしゃいますから。」
ユミ「ねえママ。もう1回読んで。」
ルリコ「はいはい・・・雪がふっていました。さむい、さむい、クリスマスイブの夜です。マッチはいかがですか。マッチを買ってくださいな。一人の、まずしいみなりの女の子が、町の通りをとぼとぼと歩きながら・・・」
ユミが眠ってしまったので、ルリコは本を閉じると、ユミの頬におやすみのキス
ルリコ「ユミちゃん・・・おやすみなさい。」
FO 陽気なクリスマスソング(「あわてんぼうのサンタクロ−ス」とか)が流れる FI 何もない明るい空間で精霊トリオがダベっている
パ−「あぢ−。」
フュ−「もう、なんでク−ラ−ないの。」
プレ「ほら、そんな文句ばっか言ってたら・・・」
パ−「神様に怒られるって?」
フュ−「プレちゃん、いい子ぶってんだから・・・暑いよう!オ−、マイ、ガッド!」
パ−「ホント、この暑さは異常よね。神も仏もあるもんかっつ−の。」
プレ「罰当たりな事言っちゃって。こんな所神様に見られたら・・・」
フュ−「よく見せてやりゃいいのよ。可愛い部下がどれだけ暑さで苦しんでるのか。」
パ−「オ−ストラリアだ!ゴ−ルドコ−ストだ!って、リゾ−ト気分で来たのが間違いだったわ。」
フュ−「な−んにもない上に、ただひたすら暑いだけ。」
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