宝 〜あの日の約束〜
宝 〜あの日の約束〜  

CAST
長谷川 楓(はせがわ かえで)
鳴滝 由美(なるたき ゆみ)
安西 健(あんざい けん)
綾川 辰巳(あやかわ たつみ)
宮広 棗(みやひろ なつめ)
横内 進(よこうち しん)(話の中だけ)


     舞台は山の中
    舞台下手よりに健が死んでるようなポーズで寝ている。
    楓と由美が上手から登場  

楓 「昨日は楽しかったね」
由美「そうだね」
楓 「あっ、そうだ。ねぇ、由美、将来やってみたいバカげた夢ってある?」
由美「バカげた夢って?」
楓 「だから、将来の夢とかじゃなくて、大人になったら1度はやってみたいって思うようなこと」
由美「はいはい。楓はバカだね」
楓 「私がバカなんじゃなくて、バカげた夢だってば」
由美「(健に気付いて)ね、ねぇ、あれ・・」
楓 「何?あ、私の夢が聞きたいんだね。私の夢は・・・」
由美「じゃなくて、あの人・・」
楓 「えっ、し、死んでる?」
楓、由美「キャー」
楓 「こ、こういうときってどうすればいいの?」
由美「ま、まって。とりあえず落ち着こう」
    2人深呼吸する。
楓 「そうだ。こういうときは電話しなきゃ」
由美「電話?」
楓 「そう、電話。えっと何番だっけ?あっ、117だ」
由美「いや、それは時報だよ」
楓 「そうだっけ?じゃあ、104だ」
由美「それは確か電話番号案内だったと思う」
楓 「えー、これも違うの?あっ、じゃあ111だ」
由美「いや、ぞろ目はありえないから」
楓 「思い出した。110だ。電話しなきゃ。でも、公衆電話がない」
由美「携帯は?」
楓 「あっ、そっか。確かバッグの中に・・・」(バッグの中を探す)
健 「ちょ、ちょっと待て」
楓、由美「で、出たー」
健 「出てない。・・じゃなくてそもそも俺は死んでない」
楓 「へ、だって、さっき・・」
健 「寝てただけだ」
由美「そうだったんですか」
楓 「なーんだ。びっくりさせないでよ」
健 「そっちが勝手に勘違いしただけだろ」
由美「でも、よかった。てっきり死んでるかと思った」
健 「勝手に人を殺すな」
楓 「こんな所であんな寝方をしてるからいけないんでしょ」
健 「どんな寝方だろうと俺の勝手だろ。ここにいたのだって待ち合わせしてたからだし」
由美「待ち合わせ?」
健 「そう。もうちょいで来ると思うけど」
    辰巳、下手から走ってくる
辰巳「おーい、健。待たせて悪かったな」
健 「別にいいよ。気にしなくて」
辰巳「あれ?」
健 「ん?あぁ、紹介しよう。人を勝手に殺した危ない人たちだ」
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