桃の修学旅行
桃の修学旅行      作・島本和子               

チルチル                   
ミチル                
赤ずきんちゃん                  
長靴をはいた猫                          
雪女                   
乙姫                  
ドロシー               
カカシ
ブリキ
ライオン
猟師                   







第一章  ジンクス最強伝説 

SE バス発車音

雪女      「皆さん、おはようございます」
全員      「おはようございます!」
雪女      「元気がいいですね!今日は待ちに待った修学旅行。皆さんの修学旅行を空も祝福して・・・」

SE 吹雪

雪女      「一寸先も見えないくらいの猛吹雪です!」
チルチル    「先生、僕たちの行き先って雪国でしたっけ?」
雪女      「あら、忘れっぽいのね。チルチル君。来年受験なのに、先生、心配しちゃうわ」
チルチル    「ええ、僕も心配ですよ。なんせ、名前がチルチルですから」
ミチル     「大丈夫よ、お兄ちゃん。私がいるから。二人揃えばチルチル満ちるになるわ」
チルチル    「それ・・・なんか、百%散ってますって意味にもならない?」
ミチル     「なんてこと!私がいると、落ちるか全滅かの2択になっちゃうなんて。妹としてふがいなさ過ぎるわ!」
長靴をはいた猫 「大丈夫!散るってことは一度は咲くってこと。つまり、受かったものの、学校側の採点ミスで不合格だったことが判明するってことだよ!」
赤ずきんちゃん 「さすが長靴をはいた猫君!学年一の頭脳の持ち主ですわ!」
長靴をはいた猫 「いやあ、学年二位の赤ずきんちゃんに言われると照れるよ〜」
赤ずきんちゃん 「嫌ですわ。二位って言ったって、私達の学年は四人しかいないではありませんかっ。全然たいしたことありませんわよ」
ミチル     「たいしたことあるわよ。私、万年三位なんだから!」
チルチル    「僕はビリだよ〜!四人中四位だなんて、母さんに申し訳がなさすぎるよ!おまけにチルチルだなんて、改名したいよ〜!」
雪女      「大丈夫です!私がチルチル君を不合格にはさせません!」
チルチル    「雪女先生・・・!」
雪女      「受験日は志望校に一番近いホテルをとってあげますから!」
全員      「・・・・・え?」
チルチル    「先生、どういうことですか?」
雪女      「私に何か出かける用事があると必ず雪になるんです!だから、私が他の受験生を学校に行けなくしてやります!」
全員      「なんですか、その能力!!」
雪女      「ほら、雨女ってあるじゃないですか。それの雪バージョンってことですよ」
ミチル     「さ、さすが雪女先生・・・。スケールが大きいわ」
赤ずきんちゃん 「はっ!もしかして、この雪も先生のジンクスによるもの!?」
雪女      「南国なら大丈夫だと思ったんですけど...私のジンクスもたいしたものですね」
長靴をはいた猫 「ここまでくるとジンクスっていうより呪いって気がします」
雪女      「大丈夫です!もうすぐトンネルです!ここを抜ければ、太陽がサンサンです!」

バス、トンネルに入る。

ミチル     「赤ずきんちゃん、どんな水着を持ってきたの?」
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