Drop
『Drop』

・アユム/羽成 歩
・シラユキ
・イフ

0場

アユム・シラユキ はじめのはじめのだいいっぽ。

舞台両端からアユム・シラユキ登場。

シラユキ  私は歩く。私は進む。少しずつ、少しずつ、前へと進んでいく。けど、あの子は止まっている。あの子は進まない。ずっと、ずっと、その場で止まっている。
アユム   のーこした。

アユムはける。

シラユキ  どうして私は…!

シラユキはける。
何処かで踏切の遮断機の音がする。

1場

アユム登場。

アユム   おーい、誰かいませんかー?…誰もいないのか。
アユム   何もない。ここは一体何処なんだ?……俺、さっきまで何してたっけ。

シラユキ登場。

シラユキ  ねえ、そこの少年!
アユム   え?
シラユキ  貴方も迷っちゃったの?
アユム   あーまあ、たぶんそう。 
シラユキ  良かった!私もなの。ここまでずーっと何もなかったから不安だったんだあ。私、シラユキって言うの。貴方は?
アユム   アユム。
シラユキ  じゃあ、アーくんだね!よろしくね、アーくん。
アユム   よ、よろしく。
シラユキ  アーくんは何処から来たの?
アユム   わからない。気付いたらここにいて、ずっと迷いながら歩いていたらシラユキと会った。そんな感じ。シラユキは?
シラユキ  …私もアーくんと一緒かな。
アユム   そっか。シラユキも同じなのか。何か安心した。
シラユキ  …………ひとりぼっちは嫌だもんね。
アユム   何か言ったか?
シラユキ  何も言ってないよ!
アユム   なら良いけど。
イフ     自己紹介は終わったかい?
二人     え?

イフ登場。

イフ     無事に出会えたようで何よりだよ。アユム、シラユキ。
シラユキ  誰?
イフ     これは失礼。私の名前はイフ。調停者…とでも言っておこうか。
シラユキ  イーくんだね!よろしくね。
アユム   おい!…で、その調停者様が俺達に何の用だ。どうして俺達はこんなところにいるんだ。そもそもここは何処なんだ。
イフ     一度にそんなに聞かないで欲しいね。
アユム   ここは何処だ。
イフ     それは答えられない。
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