闇とオカマと、それから私
 幕上がる。暗転。声のみが響く。
絵里 「その日は最悪の一日だった。」
 間
絵里 「んーもぅうるさい!!」
母  「話を聞きなさい!」
絵里 「うっさい、ババァ!」
 間
絵里 「何?深刻そうな顔して。」
裕也 「絵里、大事な話がある。」
 間
由香 「いい加減にしてよ!」
絵里 「由香のそういうとこ、大嫌い!」
由香 「相談にのってあげたのに、あんた何様なのよ!」
絵里 「あーもう、うるさい!!」
 間
 時計の音が聞こえてくる。絵里に徐々に光が当たっていく(サス)。
 時計の音が最大になって突然止まる。
絵里 「その日は、最悪の一日だったの。」
 後ろから強烈な光。
絵里 「私、夢を見るの好き。ここではないどこかへ私を連れて行ってくれる。夢の中で私は私になる。」
 後ろからの光、サスが消えていく。
 暗転
 明転。エリア中央。
 絵里、中央で倒れている。横にオカマ。奥には階段があり、両端には
平台
 オカマ、時計を見る。
オカマ「1時間あげるわ。決めなさい。」
 絵里、倒れたまま。
オカマ「んー。可愛い子。このまま食べちゃおうかしら。」
 絵里、動かない。
 オカマ、絵里に近づく。
オカマ「ねぇ、お・き・て?」
 絵里、倒れたまま動かない。
 オカマ、絵里を揺する。
オカマ「ねぇ。」
オカマ「ねぇったら。」
オカマ「ねぇ、ねぇ、起きて。」
オカマ「ねぇ、ねぇ、私はお・ね・ぇ。」
 オカマ、いったん離れる。
 間
オカマ「お名前なんていうの?おねぇさん知りたいなー。」
 間
オカマ「時間はどんどん過ぎるわよ。」
 オカマ、絵里を激しく揺さぶる。
オカマ「ねぇ、ねぇ。」
 絵里、起きる。
 絵里、周りを見渡す。
オカマ「目覚めた?」
絵里 「・・・・・・。」
オカマ「お名前、何ていうの?」
絵里 「誰、あんた?」
オカマ「私?私はオカマよ。」
絵里 「頭痛い。」
オカマ「そうね、痛いはずだわ。」
絵里 「あんた、近い。」
オカマ「レディ同士、仲良くしましょ。」
絵里 「あんた・・・・。」
オカマ「なぁに?」
絵里 「顔がうるさいよね。」
オカマ「オカマショック!」
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