森下さんが遅刻した
麻里「ふんふんふーん。」
 健二の机を拭きはじめる。
麻里「麻里さん、こんなに僕の机を綺麗にしてくれてありがとう。いいのよ。これくらい女子のたしなみよ。麻里さん、愛しています。僕と結婚してください。えーどうしようかな。考えといてあ・げ・る。」
麻里「健ちゃん、ルルル〜」
健二、入ってくる。健二、大きなため息。
麻里「あら、健ちゃん。おはよう。」
健二「おはようございます、主任。」
麻里「よく聞こえないわよ〜。」
健二「田中主任、おはようございます。」
麻里「まだ、よく聞こえないな〜。」
健二「めんどくせぇ。」
麻里「なぁに?」
健二「はぁ。麻里主任、おはようございます。」
麻里「よくできました。おはよう、健ちゃん。」
健二「セクハラだよ。」
麻里「何か言った?」
健二「いえ。何でも。」
麻里「今日、御新規のお客様がお見えになるから、よろしくね。」
健二「わかりました。」
麻里、健二のネクタイを直す
麻里「あなたには期待しているのよ。」
健二「ありがとうございます。」
麻里「ねぇ、よかったら、今夜食事に行かない?」
健二「いえ、それは・・・・。」
麻里「上司に逆らうつもり?」
健二「あ、いや、その・・・。母の体調が悪くて、今日速く帰らないと・・。」
麻里「あっそ。」
 健二、デスクで仕事を始める
 麻里、健二の背後に回り、肩に手をやる
 健二、ビクッとする
麻里「お食事は明日にしましょう。」
健二「あ、いや・・・。」
麻里「お給料減らそうか?」
健二「行きたいのは山々なんですが・・・。」
麻里「何?」
健二「叔母の見舞いがありまして。」
麻里「・・・・。」
健二「主任?」
麻里「・・・。」
健二「はぁ。麻里主任。」
麻里「どうせ、私みたいなおばさんに興味なんてないのね。」
 麻里、泣く
健二「主任、主任。あーもぅ。麻里主任。」
麻里「・・・。」
健二「麻里さん。」
 麻里、顔をあげる
健二「麻里さんはとても魅力的ですよ。」
麻里「本当に?」
健二「本当です。」
麻里「本当に本当に本当?」
健二「めんどくせぇ。」
麻里「何か言った?」
健二「本当に魅力的ですよ。」
麻里「じゃぁ、私と付き合っ」
健二「大変だ。お湯沸かさなきゃ。」
 健二、慌てて奥の部屋へ。
 麻里、地団駄を踏む。
健二「佳歩、何やってんだよ。早くこいよ。これじゃ、地獄だよ。」
 麻里に電話がかかる
麻里「あ、佳歩ちゃん。うん。うん。わかったわ。うん、それで、うん。どこにあるの?うん。澤田君の机の右の引き出しね。わかったわ。」
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