桃太郎3世
.桃太郎三世
桃太郎三世

              はりとら版

              山上祐輝
            平成28年5月17日作成

.登場人物
登場人物

鬼/ 男 中年。鬼の世界で一人、人間界にやってきた。悪い人間を見つけては、鬼ヶ島に換金する役目を持っている。ただ、余りにもやり方が強引すぎて、鬼の世界からも、人間の世界からも避けられている。(銭形警部)

桃太郎三世/ 男。 10代半ば。 祖父の桃太郎が残した遺産で豪遊し、薬入りの黍団子を食べて、性格がおかしくなってしまった桃太郎の孫。今は戦うことだけを考えている殺戮マシーンとして、鬼に飼われている。(ルパン三世)

犬/ 女。 20代半ば。 鬼退治の元メンバー。お金に溺れ、精神が崩壊した桃太郎に鎖を付け、犬として飼いならしている。村一帯を牛耳っていて、問題が起こると桃太郎を差し向ける。(峰不二子?)

猿/ 女。 10代後半。鬼退治の元メンバー。銃の達人。元隠密。以前の鬼退治の際、桃太郎に協力した。今では犬に命を狙われ、山で爺と婆に匿われている。(次元大介)

雉/ 女。 20代前半。 鬼退治の元メンバー。桃太郎の精神を崩壊させた。刀の達人。桃太郎は雉を恐れている。今は鬼と共に行動を共にしている。(石川五右衛門)

爺/ 男。 中年。(マモー的な金持ち) 
 桃太郎の鬼退治で得た多額の資金を元に、大名として君臨している。犬を手下に雇い、桃太郎を使って悪の限りを尽くしている。謎の薬の入った黍団子を食べると、力が何倍にも増幅する。

婆/ 女。 中年。(クラリス)
 爺の奥さん。爺の変貌ぶりに心を痛め、密かに鬼に討伐を依頼する。解毒の黍団子を作れる唯一の人間。今は爺に軟禁されている。
.第1話 鬼と桃太郎
第1話 鬼と桃太郎

 音楽。和風のもの。
 
 全員、出てくる。
 
 全員「時は昔。桃太郎が鬼を対峙した世界。鬼がいない人間たちは、鬼の居ぬ間に洗濯とばかりに悪がはびこり、争いは絶えず、世は乱れた。人々の心はすさんだ。救いを求める人々のもとに、ある噂が囁かれるようになった。全てを忘れて天国のような気分になれる、そんな黍団子がある村にはあるらしい。人々は、1人、また一人と噂の村へ足を運び、そして誰も帰ってこなかった。そんなある日、一人の男が、村の入口に立っていた。物語は、そこから始まった!お話の名は、桃太郎三世!」
 
 音楽、ルパン三世?
 なんぞの殺陣。
 鬼を残して、全員去る。
 鬼はフードをかぶっている。
 風が吹く音。
 
 鬼「ここが、例の村か・・・。」
 
 犬、出てくる。鬼の後ろ姿を見て、声をかける。
 
 犬「あら、お兄さん。何かお探しかい?もしかして、例の?」
 鬼「・・・例の?」
 犬「あら、お兄さん、すっとぼけちゃって。こんなへんぴな村にわざわざ来たんだから。わかってるんでしょ。れ・い・の。」
 鬼「・・・黍団子か。」
 犬「やっぱりわかってるじゃない。ほら、それなら、これ。(黍団子を取り出す)一本サービス。初めてでしょ?ここらじゃ見ない顔だ。そんかわり、もっと欲しいなら、家に来たら。」
 鬼「・・・そちらから来るとは、都合がいい。」
 
 鬼、突然刀を抜き、犬を切る。
 犬、慌てて避ける。
 
 犬「ちょ、何するの!・・・もしかして、お前は!鬼!!」
 
 鬼、フードを降ろす。
 音楽、鬼、登場のシーン。
 
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