姫とピエロ
姫とピエロ
                  

人物

姫宮椿
ピエロ
遠峯花江
近田友一












        舞台はある街の片隅。舞台中央にピエロが立っている。向かいあうように観客が2人。

ピエロ  「では、いきます」

       ジャグリングをはじめる。が、あっさり失敗。

ピエロ  「ありゃ?」

       不穏な空気。

ピエロ  「あはは。猿も木から落ちる。じゃあ、気を取り直してもう一回」

       ジャグリングをはじめる。が、やはり失敗。

花江   「なによ、ぜんぜん駄目じゃない」
友一   「期待してたのに」
ピエロ  「あはは。河童の川流れ。じゃあ、そろそろ本気を出して・・・」

        花江、友一、去る。

ピエロ  「あ、あれ?・・・」

       しょんぼりするピエロ。そこに、姫宮椿が登場。ピエロの後姿を見る。ピエロは椿には気づかない。やがて椿も去る。暗転。
       明転後、舞台は同じ。翌日。舞台中央にピエロが立っている。向かい合うように観客が1人。

ピエロ  「では、いきます」

       椿、登場。ピエロは気づかない。ピエロはジャグリング。やはり失敗。

ピエロ  「・・・おかしいなあ」

       ピエロ、風を読む

友一   「関係ないでしょ、風は」
ピエロ  「ですよね。まあね、弘法も筆の誤りと言うことで・・・」
友一   「もういいよ」
ピエロ  「え?」
友一   「君にはがっかりだよ」

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