子供に夢を
大人の事情があるんだよ
「子供に夢を」?大人の事情があるんだよ?

作:いざきた鈴







キャスト

松本:プロデューサー(苦労人)
上田:脚本家(悪役大好き)

アクション俳優的な黒子
(悪役を務める謎の人物。見た目はカッコイイ悪役)
マスコット的存在(ぬいぐるみ)
黒子2(敵役のヒーロー。ギガレンジャー。)
黒子3(ヒーローの味方魔法使い・マジョレンジャー。)
黒子4(シークレットキャラ。でもマスコット)



ここは「ブレーメン」ビルの一室。

看板に「企画ブレーメン・映画製作会議」と書かれている。
今まさに、3人の大人達によって真剣な会議が開かれていた。


松本   今日は忙しい中時間を割いて来て頂き、ありがとうございます。
    早速ですが、先に送らせて頂いた書類の通り、冬に公開予定の映画の打ち合わせをさせて頂きます。あ、その前に、会議は20分で
    終わらせますので、ご協力をお願いします。さて、今回のコンセプトは、書類にも書きましたが、子供達に夢を与えられる戦隊もの
    です。熱く、人情溢れるストーリー!
    既に、脚本家の上田さんには、脚本を書いてもらい、見させてもらいましたが・・・

松本、上田を見る。
上田、渋い顔をしながら自分の書いた台本を見つめている。

上田   ・・・。
松本   実に素晴らしく、この内容で行こうかと思います。
上田   松本さん、こんなんで本当に子供たちに夢を与えられると思っているのですか?
松本   十分だと思いますよ。
上田   ありきたりですよ。そもそも、最近のヒーローものは設定が難しすぎて、一体だれを楽しませているのかさっぱりわからない。子供
    がそんなに難しい設定を理解できるとおもっているのですか?それに、よく考えてください。敵一体に対して、複数で攻撃って、ど
    う考えても集団リンチにしか見えませんよ。
松本   あ、でもほら、悪い奴をやっつけてやるー!って感じは凄く出ているじゃないですか。それに、子供は内容までは見ていないので・・・。
上田   そこが問題です。子供に夢を与えるのに、子供の心に響かない内容では意味がないのですよ。そういう意味では、今回の私の脚本は、
    失敗作だと言えます。
松本   あ、いや・・・そ、そんな事はないんじゃ・・・。
上田   思い出してください。我々は、漫画や小説、そしてアニメから色んな事を学んだこともあった。こんな事をしたら舌を切られるぞ!
    とか、
松本   舌切スズメですね。
上田   鶴を助けたら、恩返しに来た。だが、見るなと言われて見てしまったが為に鶴は去って行ってしまった・・・とか。
松本   鶴の恩返しですね。
上田   肥厚を突いたらヒーデーブーってなったりとか
松本   北斗の拳。
上田   そう言った、負の部分があるからこそ、正義が成り立つんですよ。正義の部分だけ見せても、何も響かない・・・教育に悪いとか行
    って、なんでもかんでも規制すればいいってもんじゃないんですよ!綺麗な部分だけ見せても、上辺だけの映画になってしまう。
松本   上田さん、ちょっと考えすぎでは・・・?
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