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然る神の死とは

【然る神の死とは】
・神(神様。すべての主だが人間味が強い)
・エミル(人間の子供。どこか抜けている。)

開幕。舞台中央に座る神とその神に延々と話しかけ続けるエミル。

エミル　ねぇ神様、ねぇ、ねぇってば！ねーえー！話しかけてんじゃん！ねぇ神様！ねぇ！かーみーさーまー！ねぇー！！！
神　　　エミルよ。
エミル　やっと返事してくれた。
神　　　いいかいエミル、よく聞きなさい。
エミル　うん。
神　　　敬語を使え。
エミル　・・・なんで？
神　　　なんでじゃないよ神様だからに決まってるでしょ！？ねぇじゃないんだよ友達じゃないんだから！
エミル　でも神様遠慮しなくていいって
神　　　言ったけど！あくまで人間と神って関係性があるじゃん！
エミル　えー。
神　　　まったく・・・。で、何の用だ？　
エミル　そう、神様に聞きたいことがあってね？　
神　　　敬語。
エミル　です。
神　　　ですだけはやめて。死の方だから。
エミル　それなの。
神　　　ん？どういう意味だ？
エミル　神様ってさ、死ぬの？
神　　　・・・
エミル　ねぇ
神　　　そうだな、エミル、手を出してみなさい。
エミル　え？はい。

エミル、神の手に触れる。

神　　　どうだ？
エミル　冷たい。
神　　　うむ、冷たいだろう。だが、触れているな？
エミル　うん。
神　　　すなわち神とは存在していながら生きてはいないのだ。そこに有れど生はなく、生なき故に死もない。死なき故に生すらない。そういうことなのだ。分かるかい？
エミル　・・・
神　　　はっはっは、少し難しかったか
エミル　でも、神様が死ぬのか死なないのかって質問されてんのにどっちでもない答えを出す面倒臭いタイプであることはわかった
神　　　違う違う違う。なんでそうなる。
エミル　だって
神　　　いいか？神様ってのは元々　
エミル　説明下手。　
神　　　エミル。座りなさい。　

エミル、だらけた座り方

神　　　正座に決まってるだろ何くつろいでんだ　
エミル　あーい。
神　　　いいか？エミル。世の中というのは白か黒かでは表しきれない事がごまんとある。それを無理にどちらかにしようというのがいかに愚かであるか、分かるかい？　
エミル　まぁ　
神　　　人間には死の概念があり、神にはそれがない。だが同時に神には生という概念もない。生なきものに死は訪れぬ。同様に死無きものは生を持たずということだ。
エミル　なんで？
神　　　え？
エミル　なんで神様は生きてないの？
神　　　なんでって、神だから
エミル　じゃあなんで神様は存在するの？
神　　　・・・それは

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