ラフ・ライフ(キャスト4人バージョン)
ラフ・ライフ


                              作・新堀浩司



      人物

小笠原薫(おがさわら かおる)  高校二年生 学級委員長
本山遥(もとやま はるか)    高校二年生 薫の友人
黒崎希(くろさき のぞみ)    高校二年生 薫の元クラスメイト
相馬弥生(そうま やよい)    高校二年生 生徒会副会長


     場所 とある高校のとある教室
     季節 九月の中旬



       第一場

        音楽。笑点のテーマソングが流れる。明転。        
        舞台はとある高校のとある教室。誰もいない教室に、笑点のテーマソング
が流れる。机の上に携帯電話。発信元は携帯のようだ。
そこに2人の女子生徒がやって来る。直後、電話が切れて音楽も消える。

遥   「渋い着メロだね」
薫   「そうね。忘れ物かな。ちょっと届けてくるよ」
遥   「そんなことしてるうちに来ちゃうかもよ」
薫   「放置しておくわけにもいかないでしょ。もし私がいないうちに来ちゃったら、事情話して待っててもらって」
遥   「はーい。行ってらっしゃい」

        薫、去る。遥、薫のカバンから便箋を取り出し手紙を取り出す。

遥   「『前略、小笠原薫様。どうしてもあなたにお話したいことがあります。今日の放課後、特別棟二階の講義室まで来てくださいますでしょうか。よろしくお願いいたします』…か。薫もスミに置けないなあ。それにしても今時下駄箱に手紙とか、古風だねー」

        薫、戻ってくる

薫   「遥」
遥   「あれ」
薫   「何してるの?」
遥   「朗読」
薫   「私に来た手紙を勝手に持ち出して、勝手に朗読しないで」
遥   「いいじゃん、友達に隠し事はなしだよ。水臭いなあ」
薫   「親しき仲にも礼儀あり。大体、相手に失礼でしょ」
遥   「はいはい。(手紙を返す)それにしても早かったね。職員室って結構遠いでしょ」
薫   「廊下で忘れものをした本人と行き会ったから。携帯渡して帰ってきたの」
遥   「そうなんだ。良かったね。知ってる人だった?」
薫   「3年の柳沢先輩」
遥   「ああ、生徒会長の」
薫   「そう」
遥   「好きなのかな?笑点」
薫   「さあね」
遥   「薫、緊張してる?」
薫   「え?なんで?」
遥   「だってラブレターもらったんだよ?」
薫   「ラブレターかどうかは…」
遥   「ラブレターでしょ。なんか便箋もかわいい感じだし」
薫   「そうなのかな」
1/20

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム