GhostFiction"杜若"
もう一度会えたなら
Ghost Fiction "杜若"
ゴーストフィクション"カキツバタ"

この話は、完全なフィクションです。いかなる団体、人物、事件とも一切関係ありません。
実際に起こった事件などと似ている描写があるかもしれませんが、一切関係ありません。
ご了承ください

⸺この事件に関わりのある人物⸺
・篠原    錦 キノハラ  ニシキ
・葛之葉   栞 クズノハ  シオリ
・玄沼    供 クロヌマ  キョウ
・榊原    薔 サカキバラ ショウ
・伊賦夜坂  凛 イフヤザカ リン
・一条    誠 イチジョウ マコト

⸺2013/6/23/19:38⸺

誰かが、たった一人で通りを歩いてくる。田舎なのもあってかはわからないが他には誰もいない。完全に孤独なその空気は少し重く感じられる。
錦「はぁ…学校疲れた…」
そう口に出したのは篠原錦。この話の所謂主人公だ。一緒に帰る友達がいないのを見るに、おそらくクラスに馴染みきれず、孤立しかけているのだろう。そこに誰かが歩いてきた。
?「錦ちゃんどうしたのさ、浮かない顔して。」
錦「…馴れ馴れしいな…誰?」
栞「私?…そっか、覚えてないか。」
錦「覚えてない…?」警戒
栞「ううん、何でもない。私は葛ノ葉栞。」
錦「栞さん…よろしくお願いします…」
栞「よろしく、錦ちゃん」
錦「それで、なんのようですか?」
栞「少し、見てほしいものがあって」
錦「見てほしいもの?」
栞「13年前の事件のことなんだけど…錦ちゃんはまだ2歳か。」
錦「なんで、年齢知ってるんですか?」
栞「んー…みれば、なんとなくわかるよ」
栞「そんなことより、早く見に行こうか」
錦「どこに行くんですか?」
栞「13年前」本を取り出す
錦「………はぁ?」
栞「この本に入る」
錦「すみません、ふざけないでくださ…」
暗転。その後明転しても二人の姿はない。あるのは開いたまま地面に置かれた本だけだ。ふと、その奥に見えた警察署に目が行く。珍しいこともあるもので、こんな田舎にマスコミが光に群がる蚊たちのように警察署に集まっていた。警察署の張り紙を映しているクルーもいるようだ。その張り紙には、13年前の星岳町中学生殺人事件は本日で捜査を打ち切ります、と書かれていた。

⸺2000/6/28/16:20(本の中)⸺

先の話から遡ること13年前。当時の世間はざわついていた。通称星岳バラバラ殺人事件。そんな事件が世間を騒がせていた。のどかな田舎で猟奇殺人が起こった。全国ニュースにまでとりあげられた犯人は、検討もついていないそうだ。被害者も頭部が持ち去られていたため、現在は不明だ。

錦「ん?ここは…」
栞「本の中。2000年6月28日。星岳町中学生殺害事件の5日後の時間。名前くらいは知ってるでしょ?全国ニュースでも取り上げられた事件だし。」
錦「確か、まだ未解決事件で、中学生がナイフで殺された事件ですよね。確か、特徴があって…」
栞「被害者の四肢が切り離され、無くなっていた。だから別名星岳バラバラ殺人事件。流石、地元生まれの錦ちゃんは詳しいね」
錦「あの、なんで私が星岳町生まれって知ってるんですか?流石に顔を見てもこれはわかりませんよね?」
栞「内緒〜♪」
錦「なんですかそれ…」

誠「あっ!そこの君達!!そこは立入禁止だよ!!」
錦「………え」
凛「そこは捜査のために立入禁止になってるよ」
栞「あーほんとですか」
誠「うん。だから早く出ようね?」
錦「はい…」
凛「…ねえ、君。葛ノ葉栞さんってしってる?」
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