パッと光って咲いた
登場人物
主人公  ……男性
幼なじみ ……女性



【ここから本編】




主人公:「あぁ……暇だ」

   (N) 
    天気は気持ちいいくらい快晴なのに、俺の心はどんよりとしていた。
    ふと、窓から外を見てみる。
    「わっしょい」の掛け声に合わせて神輿(みこし)を担ぐ小学生たちの姿を見て、
    そういえば今日は祭りの日だということを思い出す。
    まぁ……俺には関係ないことだけど。

幼なじみ:「おーい! おーい!」

主人公:(N)
    神輿の喧騒とともに、うんざりするほどの元気な声が聞こえた。
    こっちに向かって手を振っている。

幼なじみ:「おーい! 暑いよぉ! 家に入れてくれぇ!」
主人公:「……(大きくため息をつく)」


  間


幼なじみ:「いやぁー、急に上がりこんで悪いねぇ!」
主人公:「ほんとだよ。てか悪いって思ってねーだろ」
幼なじみ:「あ、バレた?(笑)」

主人公:(N)
    こいつは俺の幼なじみ……というよりは、腐れ縁みたいなものかな。

主人公:「てか、何しに来たんだよ」
幼なじみ:「なによ、用事がなきゃ来ちゃいけないの?」
主人公:「うん」
幼なじみ:「なにそれひどい(笑)
      てかさ。今日の祭り、誰かと行く予定ある?」
主人公:「あると思うのか?」
幼なじみ:「だよね(笑)
      ねね、予定ないなら私と行こうよ!」
主人公:「はぁ!? なんでお前と行かなきゃいけないんだよ。友達とかと行けよ」
幼なじみ:「それができたらやってるわ!
      みんな彼氏と行くって言って、私だけ暇なんだもん」

主人公:(N)
    俺が朝からどんよりしていた理由はそれだ。
    俺の友達も、みんな彼女と祭りに行くらしい。

主人公:「だからってなんで俺なんだよ……」
幼なじみ:「いいじゃん! 君と私の仲なんだし」
主人公:「あのなぁ。あんなリア充の巣窟(そうくつ)に首を突っ込んだらどうなると思う?」
幼なじみ:「傍から見たらうちらもカップルっぽく見えるかもよ?」
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