人の子が生贄の座をめぐって言い争いをしているんだが
登場人物
神   ……男性
カヨ  ……女性
サチコ ……女性
与太郎 ……男性 読み方は「よたろう」

カナ  ……女性 結末⑤のみ登場
         カヨ役の方が兼ね役してもいいし、別の人がやってもい
サクラ ……女性 結末⑤のみ登場
         サチコ役の方が兼ね役してもいいし、別の人がやってもいい
陽太郎 ……男性 結末⑤のみ登場
         読み方は「ようたろう」
         与太郎役の方が兼ね役してもいいし、別の人がやってもいい


※この台本は結末が複数あります
 あらかじめ目を通していただき、どの結末にするか選んでから演じるのをお勧めします



【ここから本編】



カヨ:(N)
   村から一里(いちり)離れた山奥に社(やしろ)が佇んでいる
   そこに祀られている神は、村を疫病や災害から守っているのだそうだ
   村人たちは普段から神に感謝し、尊敬し、畏怖し、信仰している
   そんな村にはしきたりがある
   神がこれからも村を、そこに住む人々を守ってくださるように
   数年に一度、村の人間を一人、神への供物として捧げるのだ

   そして――私は神に捧げられる


―とある社の境内
―神と対峙するカヨ

神:「そなたが今回の供物か」

カヨ:(N)
   村では「神との婚礼の儀」とも謳われているが
   神は人の子を喰らうと言われている
   私の命がどうなるかなど――考えるまでもない

―神の御前で膝をつきかしづくカヨ

カヨ:「はい。村の繁栄のため、参上しました
    この身も、心も……すべて貴方様へ捧げます」
神:「……顔を上げよ」
カヨ:「……はい」

―神と目が合うカヨ

カヨ:「……!」
神:「社へ参ろう。話はそれからだ」
カヨ:「は、はい……」
神:「では」
サチコ:「ちょっと待ったぁ!」

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