愛ラブ和歌山ラブラ・ブラブラクリちょう、ツレもていこら、レッツラ・ブー
愛ラブ和歌山ラブラ・ブラブラクリちょう、ツレもっていこら、レッツラ・ブー
作 松永 恭昭謀

登場人物
 ノリ 女
 ツダ  男
 スミ  女
 ポン  男
 紀州犬 男
 梅子  女

 1
紀の川のほとり

バンカラな格好に水セッタ(ビーチサンダル)を履いた男(ツダ)が立っている。

ツダ この紀の川の流れの雄大さよ。俺の体を貫いて流れる血潮よ。時に荒々しく、時に雄大に流れるこの大河は、いつまでも俺の心を震わせ続ける。ああ、素晴らしきの紀ノ國和歌山。ああ、たまらない。あでぇ、あでぇ。

下手に二人の女(ノリとスミ)がやってくる。

スミ うわっ、ツダのやつ、本当にいた。
ノリ スミちゃん待ってよ。
スミ あいつなにやってるの、あれ。こんなとこで。
ノリ いつも学校終わりにここで紀の川を眺めて和歌山を全身で感じてるの。
スミ なんか、あでぇあでぇ叫んでるけど。
ノリ 紀の川の雄大さに郷土愛があふれだして、あでぇって叫んでるの。
スミ ヤバいでしょ。
ノリ そう、ヤバいくらい素敵でしょ。
スミ ヤバいくらいキモイ。
ノリ なんでよ。ほとばしる郷土愛、キュンキュンする。
スミ いや、ノリがいいならいいけど。で、どうするの。
ノリ やっぱり無理。
スミ ええー、ここまで来て?
ノリ でも。
スミ じゃあやめる?
ノリ それは……。
スミ 準備してきたんでしょ。
ノリ うん。いろいろ調べてきました。もう徹夜でヘイ・シリ、ヘイ・シリ。
スミ ヘイ、ノリ。勇気を出して告白する方法。
ノリ 「恋愛の神、愛の伝道師、ラブ師匠が厳選。告白する勇気を出す方法ベスト3。第三位は友人に相談する。一人で悩まず信頼する友人に客観的な意見も聞いてみよう」ねえスミちゃん。私、どうしよう。
スミ さっさとしろ。
ノリ 冷たい。「第二位。緊張して喋れなくならないように告白する言葉は決めておく。練習が大事。」ねえツダ君。
スミ どうもツダです。なんだいノリコさん。ボクになにか?
ノリ ツダ君。好き。
スミ いいんじゃない。
ノリ スミちゃんは告白しやすいねえ。
スミ なにそれ、ほめてる?
ノリ そして堂々の第一位は、
スミ 一位は?
ノリ 「続きが気になる方は、月々たったの一万円で恋愛指南書が見放題。ラブ師匠のラブラブノート。今なら一年まとめてで一割引き」
スミ 払ったの?
ノリ 払えるわけがない。大学受験を控えた高校三年生は色々物入り。貧乏人は恋もできないっていうの?
スミ そんなことないとおもうけどねえ。
ノリ どうしようどうしよう。一万円払えないばっかりに私は永遠に一人ぼっち。このまま、ずっと一人寂しく死んでいくんだ。もうそれを考えただけで死にそう。
スミ 死なないで。
ノリ 死なない。
スミ 大丈夫。私達ズッ友でしょ。なにがあろうが私たちの絆は永遠。
ノリ スミちゃん、好き。
スミ だから私に告白してどうするのよ。
ノリ 本当、スミちゃんは告白しやすい。しやすすぎる。
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