Bitter Sweet Treats
表題「Bitter Sweet Treats(びたー すうぃーと とりーつ)」※略してBST
【登場人物】
�@瀬野ツカサ
高校生。成績はそこそこ良い。特に部活には入っていない。一人称は僕or俺。
�A菊池セイイチ
瀬野の同級生。中学校入学からずっとクラスも同じ。成績は中の上。運動系の部活に所属。一人称は俺。
―――開幕―――
教室。自分の席で物思いに耽る瀬野。
瀬野「(M)僕には意中の人がいる。数年モノの片想い。」
菊池登場。教室へと入る。
瀬野「おはよー、菊池。」
菊池「おっす。」
菊池、瀬野の後ろの席に着席。
菊池「瀬野、お前今日なんか元気無えな。」
瀬野「そう?菊池こそ今日はテンション低い気がするけど?」
菊池「ん?あー……そうかもな。ちっと寝不足っぽいかもしんねえ。」
瀬野「真面目にオベンキョーしてたの?」
菊池「……そんな風に見えるか?」
瀬野「全っっっ然、見えない。」
菊池「なら聞くなよ。」
瀬野「(M)男同士の朝の会話はローテンションのまま盛り上がらず、僕は手持ち無沙汰な心持ちで周囲に視線を移す。一部とはいえ男女ともにどことなく浮かれているというか、空気が何となく華やぐというか……絶賛片思い中の身とはいえ、こういうイベントデーってのは嫌いじゃない。」
瀬野「(M)そして2月14日が近づくと、我が想い人に生じるささやかな変化。」
菊池「早く帰りてえなあ。」
瀬野「……そうだね。」
瀬野「(M)ほのかに漂うチョコレートの香りと、おでこ辺りにぽこっと現れるニキビ。この二つの現象を結びつける要因がたった一つだけあって、僕はその真相を何年も図りかねてきた。」
瀬野「(M)ニキビが出来るくらい、全身にフレーバーを纏うくらいに女子達からチョコもらっているのか?人は見かけによらない……いやひょっとしたら自分で作って意中の相手にあげてるのかも知れない。最近は男から女の子にあげたりもするって姉ちゃんが言ってたような、あれ外国だと元々逆なんだっけ?」
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