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流れ星が聴こえる

【登場人物】
アルマ
…ラジオを聴くことが好きな女の子
すばる
…アルマの友だち
千鶴（ちづる）
…アルマの友だち
奏来（そら）
…アルマの友だち
太陽（たいよう）
…アルマたちの同級生
河原（かわはら）
…すばるたちのクラスメイト
先生
…すばるのクラスの担任

ラジオ番組「星見る夜」
水木優葉（みずきゆうは）
…パーソナリティ・アナウンサー
天宮夏彦（あまみやなつひこ）
…パーソナリティ・天文科学館学芸員
ひかる
…リスナー

【第１場】
　舞台上にアルマとすばるが立っている。ふたり、「きらきら星」を歌う。

【第２場】
　オルゴールの「きらきら星」が流れてくる。

水木　２月26日水曜日「星見る夜」始まりました。こんばんは、パーソナリティの水木優葉と、
天宮　こんばんは、神撫台天文科学館の天宮夏彦です。
水木　時刻は午後６時となりました。毎週月曜日から金曜日、ちょうど星が出始めてからの２時間をご一緒するこの番組。
天宮　今夜も皆さんから届いたお便りを読んだり、音楽を聴いたりしながら、夜空に浮かぶ星々に思いを馳せます。皆さんも是非、そんなひとときを。
水木　今の空の様子は…。
天宮　日は沈んで、トワイライト、マジックアワーと呼ばれる時間帯ですね。ちょうどオリオン座が南中しています。
水木　はい。皆さんからも続々と星空観察のお便りが届いています。ラジオネーム、ぷろの給食当番さん。「今日はお母さんと海に来ています。きれいな夜空だなぁ。」革ジャンの似合う天使さん。「今日、繁忙期が終わりました。ビール片手に眺める星、最高。」
天宮　はぁー。いいですね。
水木　いいですねえ。みなさん冬の夜空を楽しんでおられるようですね。——はい、続いてのお便りです。えー、ラジオネームひかるさんから。「水木さん、天宮さん、こんばんは」
天宮　こんばんは。
水木　「私は神戸の街に住んでます。今日は私の友達のことを書きたいと思います。その子はあまりしゃべらないのですが、私の話をいつもニコニコしながら聞いてくれます。私はその、ちょっと照れたみたいな、楽しそうなそんな笑顔が大好きです。その子はきらきらしていてまるで流れ星みたいな…！これからもずっとその子と一緒にいたいです。おふたりにはそんなお友だちはいますか？」
天宮　どうでしょうねぇ、本読んで空想ばかりしてるような子どもでしたから、ひとりでいることが多かったかな。でも今は、一緒に好きなことする仲間とか、友達もいますよ。もちろん水木さんも。ね。
水木　・・・。
天宮　……そう思ってたのは僕だけみたいですね。
水木　ははは、冗談ですよ。私もいいお友達だと思ってますよ。

【第３場】
　アルマがイヤホンをつけて、公園のベンチに座っている。すばるがやってくる。

アルマ　あっ、おーいすばるー！

　すばるが近づいてくる。隣に座る。

アルマ　そうや、聞いて聞いて！昨日めっちゃ嬉しいことがあってな、夜聞いてたラジオで——あ、今もラジオ聞いてたんやけど——そこで、私の送ったお便り読んでもらえてん！
すばる　（びっくりして目を丸くしている）
アルマ　なんかさあ、おもろいな！いつも分が聞いてるラジオで自分の話が読まれるんって、ちょっと変な感じ。また送ってみようっと！
すばる　（にこにこしている）
アルマ　今日何して遊ぶ？
すばる　……鬼ごっこで、鬼がものまねするやつ？
アルマ　あはははっ、それめっちゃ好きやな！よっしゃ、やろう！

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