Révolutionnaire
Révolutionnaire

作者名 :大瀧楓                                                ・高校生向け台本                                    ・舞台劇                                          ・60分

   
【キャスト】
・妙ちゃん…河野妙子(こうのたえこ)。ポニーテールをしている。松野高校2年7組。生徒会役員。
・キキ…佐伯(さえき)きさえ。制服の上にパーカーを着ている。松野高校2年7組。
・なっちゃん…辻(つじ)なつ子。スカートの下にジャージを履く。松野高校2年7組。
・るあ…永野(ながの)るあ。化粧命。松野高校2年7組。
・清川…清川誠子(きよかわせいこ)。松野高校2年7組、生徒会長。1つ結び。
・滝口…滝口航 (たきぐちわたる)。松野高校2年7組。
・皇…皇(すめらぎ)。松野高校2年7組担任、世界史担当、生徒会の先生。ヒステリック な皇略してヒスラギ。

【舞台装置】
・教室…松野高校2年7組の教室。中央面には4つの机椅子。中央奥には机椅子が積み重なっている。デモで用いるような小道具(旗、拡声器、メガホン)が所どころ机に置かれている。「校則に拘束されない学校」「生徒の個性と自由を尊重」「学校の風紀よりも生徒の安全」「自由・平等・友愛」などと書かれた大量の横断幕がバトンに吊るされ、ポスターもいたるところに貼ってある。

【衣装】
・妙ちゃん、キキ、なっちゃん、るあ…赤のマスク、赤のハチマキ、赤の横断幕、赤のメガホンまたは赤の拡声器を持っている。制服以外真っ赤で、みんなキラキラギラギラしていてほしい。




   
プロローグ

松野高校2年7組の授業中。
真っ暗な舞台に皇が現れ、光が差す。

皇「はい静かに。まだ挨拶は終わっていませんよ。帰りのHRの前に、今日は皆さんにお話があります。…河野さん、佐伯さん起こして。…さて。昨年の生徒総会の一件で、来週より新しい校則が施行されることはご存じですね。先週には保護者の方向けにそのお知ら…そこ喋らない!まったく…。」

皇、咳ばらい。

皇「えー、いま一度確認しておきますが、今回のこの校則緩和はより生徒一人一人の個性を尊重し、そしてこれから先も安全に学校生活が送れるよう決定されたものです。この目的を忘れないようにしてください。…間違っても、「自由」という言葉の意味を誤って解釈をしないよう…佐伯さん!いつまで寝ているんですか!先生の話はそんなに退屈ですか!…よくもまぁ、人が真剣に話している中グースカ寝ていられますね…そんなんだから世界史の追試になるんです。こっちだって割きたくて貴方たちに時間を割いているわけではないんですよ。どうせ、貴方たち知らないんでしょう、あの大騒ぎのせいで、私たち教員がどんなに苦労を掛けられたか、知らないでしょう!…そうやって大人を馬鹿にしていられるのも今のうちです。そして、新たな校則が適応されるのは来週からです。今週までは今の校則に従ってください。特に女子、わかっていますね?お化粧や耳より上でのポニーテール、だらしない服装等は現時点ではわが校で禁止されています!…失礼、少し喋りすぎました。登下校ですれ違う地域の皆さんから良い印象を持ってもらうためにも、皆さん一人一人が松野高校の生徒として身だしなみに気を使う必要があるのです。もちろん会釈や挨拶も忘れずに。では授業を終わります。気を付け、礼。」

皇、はける。
フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」と共に開幕。
照明で真っ赤な空間に教室がシルエットで映る。
妙ちゃんをセンターに、デモで用いるような小道具(横断幕、拡声器、
メガホン、ハチマキ…)を身に着けた少女たち(キキ、なっちゃん、るあ)が机や椅子上に立って並んでいる。
清川、舞台中央最前に立っている。

妙ちゃん「私たちはなぜ拘束されるのか!時代遅れで、無意味で、個性を踏み潰すようなブラック校則に、なぜ拘束されるのか!私たちは訴えたい。生徒の安全よりも学校の風紀か!理不尽な校則1つで挽回できる名誉とは!今こそ革命の時!!声を上げ、証明しよう!私たちは、この狭い校舎で、社会で、もっと自由に生きる権利があることを!!」
清川「日々変化し続ける社会に柔軟に応じるため、松野高校はこの度新たな校則を設け、従来の校則を撤廃することが決定いたしました!古い決まりに縛られず、誰もが自由に、のびのびと成長していける学び舎を目指します!」
全員「証明しよう!私たちは、この狭い校舎で、社会で、もっと自由に生きる権利があることを!!今こそ、革命の時だ!!」

音楽FI。
暗転。


第1幕
第1場 放課後の教室

時:3月。2年の終わり頃。
3人の少女(キキ、なっちゃん、るあ)。教科書を広げ自習をしている。先ほどまで身に着けていたデモの小道具は外し、机の上に置いてある。

るあ「あ、曲終わった。ちゃんと聴いてた?」
キキ「「行こう祖国の子らよ、栄光の日がきた、我らに向かって暴君の血まみれの旗が、あげられた」……歌詞えぐ。」
なっちゃん「こっちのほうがやばい。見な?「汝らの子と妻の喉を掻き切る」って。サイコパス過ぎて。」
キキ「グロすぎな。てかほんとにこんなとこから問題でんの?鬱すぎるんだけど。」
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