あらすじ
20XX 7/21 ぼくらの夏休み戦争
──時はきた。今、一人の声と共に戦いの幕は切って落とされた。
戦場には白紙の敵兵達……辺りはピリピリとした緊張感と恐ろしいまでの静寂に包まれ、時を刻む音だけが響き渡る。
目の前から降り注ぐ視線を搔い潜るように、視界を黒に塞いだ。
事前に決めて置いた合図を聞き逃さないよう研ぎ澄ました耳にゴクリ、と誰かが唾を飲んだ音が転がり込む。
カチ カチ カチ……合図の音はまだ聞こえない……
まだか、まだか?実際は10秒にも満たないだろう時間が、永遠にも近い、長いながい時を過ごしているように感じられた。
気の狂うような時の中、ただジッ…と静かに息を殺し合図の音を待つ。
そして、時が来た。