あらすじ
芽衣(めい)は普通の女子高生。でも家では「ヤングケアラー」として、心の病を抱える兄の世話を続けている。朝ごはん、薬の管理、学校と家の行き来。父は仕事が安定せず、母も体調を崩しながら働いていて、家の中は余裕がない。学校に行けば、眠くて授業中に居眠りして先生に怒られたり、友だちから冷やかされたり。どこにも居場所がなく、疲れ切った芽衣は、それでも笑いと冗談でなんとか自分を守っていた。そんなある夜、支援員の安奈(あんな)が家庭にやって来る。最初は「どうせ役所の人」と思って心を閉ざす芽衣だったが、安奈との対話の中で、初めて「助けて」と言える一歩を踏み出す。――この芝居は、見えにくいところで必死に生きている同世代の現実を描きながら、「人と人がつながる」可能性を探す物語です