あらすじ
仮想SNS「エックシー」の世界で、シャドウバンに気づいた男・シャドウバン太郎が、自分の声が誰にも届かなくなったことに怒り叫ぶ。現れた看守は冷静に、彼の過剰な行動や偏ったフォロー行動が原因だと告げ、世界は「やさしさ以外はノイズ」として最適化されていると説明する。バン太郎は反発するが、看守の言葉からアルゴリズムの裏に支配者がいると気づく。
現れたのは巨大な顔だけの存在・色男仮面。彼はSNSの秩序と人々の承認欲求を操る支配者であり、太郎の自由な投稿も「承認の呪い」によって支配されていたことを明かす。打ちのめされる太郎に、看守は「誰にも見られなくても書けるなら、それが本物」と静かに示唆する。
太郎は戦いも離脱も選ばず、承認ゼロでも自分の言葉を投稿し続ける道を選ぶ。静寂の中、ひとつの「いいね」が届く。誰が押したかはわからないが、太郎は微笑んで受け止める。