RAINBOW
RAINBOW 中島清志 作
〔初演〕2000年(広島県立広高校演劇部)
〔キャスト〕♂2 ♀6
(劇中劇での役名)
♀奈緒(奈緒子)・・・演劇部2年生
♀京美(京子)・・・・演劇部2年生
♂誠治(誠)・・・・・演劇部2年生
♂良介・・・・・・・・演劇部1年生
♀梨恵・・・・・・・・演劇部1年生
♀歩・・・・・・・・・演劇部2年生
♀母・・・・・・・・・奈緒の母
♀先輩・・・・・・・・演劇部の先輩
「関白宣言」が流れる中 開幕 上手側の食卓では「誠」が新聞を広げ、「奈緒子」はその横に座って新聞を読もうとしたり、体をちょこちょこつついたりちょっかいを出して「誠」にたしなめられている「京子」は流し台で洗い物をしている
誠「奈緒子。」
奈緒子「なあに。」
誠「ちょっとそこに立ってみなさい。」
奈緒子「え−。」
誠「スカ−トが短か過ぎるんじゃないのか。」
奈緒子「短い方が可愛いもん。」
京子「奈緒子!お父様のおっしゃる事が聞けないの。」
誠「とにかく、もう少し長くしなさい。目の毒だ。」
奈緒子「はあい。」
誠「お茶。」
京子「はい。今お持ちしますわ。」
京子、お茶を入れて持って来る 誠は相変わらず新聞を読みながら時々茶を飲む 洗い物が一段落付いた京子は、水屋の引き出しから大きな紙を出して持って来る
京子「ねえあなた、ヤマトハウスの方が来られて、これでお決まりだそうですわ。」
誠「どれどれ。」
奈緒子「あっ、ずる−い。私にも見せてよ。」
京子「何ですか、奈緒子、お行儀の悪い。お父様が一家の主なんですからね。」
奈緒子「はあい。」
誠「まあまあ、さあ奈緒子、先に見なさい。」
京子「まあ、あなたったら、奈緒子にはお優しいんですのね。」
奈緒子「えっと、これが私の部屋になるのよね。」
京子、遠慮がちに身を乗り出し、3人で仲良く図を眺めている
京子「そうよ。」
誠「そうか。じゃあ女の子の部屋だから、窓はスリガラスにしておくんだな。」
京子「そのようにいたしますわ。」
奈緒子「この大きな部屋は?」
京子「そこは寝室。」
奈緒子「じゃ、この部屋は?」
京子「う−ん、もう一人子供が出来たら、その子の部屋にするんだけどねえ・・・。とりあえず、お 父様に使って頂きましょう。」
誠「おい。」
京子「あらあなた、どうかいたしまして。」
誠「この階段の隣は吹き抜けにするんじゃなかったのか。」
京子「あ、そこはやっぱりあなたの書斎にいたしますわ。」
奈緒子「え−。せっかく2階建てにするのに。」
京子「お父様の働いたお金で建つんですからね。わがまま言うんじゃありません。」
奈緒子「天井の高い吹き抜けのリビングって素敵なのに。ねえねえ吹き抜けにしようよ。」
京子「奈緒子!」
誠「まあ、待ちなさい。さっきの部屋が私の部屋になるんだったら、そこにパソコンでも置けばい いからな。そこはやっぱり吹き抜けにしておきなさい。」
奈緒子「わ−い!」
京子「お父様に感謝するのよ。」
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