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節電

節電

　　　Ａ
　　　Ｂ
　　　Ｃ

明転すると、ＡとＢ。

Ａ　　　もっぺん言ってください。
Ｂ　　　…。
Ａ　　　もういっぺん、言って、ください。
Ｂ　　　（溜息）

間。

Ａ　　　冗談でしょう？
Ｂ　　　…。
Ａ　　　先生、
Ｂ　　　はい。あなたは死にます。
Ａ　　　そのタイミングなんだ…。
Ｂ　　　三日後です。それがあなたの、命の期限です。わかりましたね。
Ａ　　　わかるわけないでしょう！

間。

Ｂ　　　…じゃあ、賞味期限です。
Ａ　　　フザけないでください！
Ｂ　　　滅相もない。三日後…このときが言わば、いやむしろ、あなたの消費期限なんですよ。
Ａ　　　賞味だの消費だの。私はコンビニの商品ですか？あんたにとっての人の命ってそんなもんですか！？
　Ｂ　　　いえ、私はコンビニの廃棄商品は持って帰ります。
Ａ　　　このヤロ！
Ｂ　　　言葉どおりです！アヤです！
Ａ　　　どっちだ！
Ｂ　　　だから…コンビニとかじゃなくても、「消費される期限」という意味では私の言葉は間違っていないんですよ。
Ａ　　　…。
Ｂ　　　三日後までに、人生を使い果たさないといけない。
Ａ　　　…。

間。

Ｂ　　　短ぇなぁ。
Ａ　　　は！？
Ｂ　　　今、そう思ったでしょ。そうでしょ。
Ａ　　　思わないこたぁないですけど今のは、
Ｂ　　　でしょでしょ。でもね、そんなことあらんち。
Ａ　　　ん？
Ｂ　　　その気になれば時間は、人生は無限大です。
Ａ　　　…気休めはよしてくださいよ。
Ｂ　　　どうして？
Ａ　　　気休めかよ。
Ｂ　　　時間の感じ方って、一定じゃないでしょ？
Ａ　　　ああ…そうですね。遊んでる時は過ぎるのが早く感じるし、嫌なことしてる時はやけに時間がダラダラ過ぎていく。
Ｂ　　　そうそう。具体的に、どんなときがありましたか？
Ａ　　　えぇ？…あー、そうですね…試験。資格試験のとき、問題が配られたあとから開始の合図があるまでの間がものすごく長かったです。
Ｂ　　　それはなぜ？
Ａ　　　何もできないからじゃないですか？ただドキドキしながら、問題集を見直すことも、できずにじっと待つだけで。余計に緊張するし。
Ｂ　　　ははぁ。して、試験の結果は？
Ａ　　　落ちましたね。

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