片仮名禁止令(改)
「片仮名禁止令(漫画編)」

登場人物:男A
     男B
     憲兵
     男1
     憲兵1
     憲兵2

法律で片仮名が禁止された世界。
片仮名を使用した人間は逮捕されていく。
憲兵は軍人のような格好と大きな銃と双眼鏡を持った警察である。
憲兵によって、町の人間は監視されている。

  男Aと男Bは最初は恐る恐るマンガ・ワンピースの話をしている。
  しかし、徐々に調子に乗っていく。


  立派な髭を蓄えた憲兵が舞台の中央奥に仁王立ちしている。


男1の声「やめろよ!俺が何か悪いことしたのかよ!」
憲兵1の声「うるさい、お前を連行する!」

  憲兵1・2が男1の両脇を抱えて上手から現れる。

憲兵2「おとなしくしろ!」
男1「いいじゃねえかよ!おもしろいじゃねえかよ!ハンターハンター!!」
憲兵2「馬鹿者!狩人狩人と言え!」

  憲兵2、男1を殴る。

男1「ちくしょう……」

  男1、憲兵1・2、下手にはける。

  上手より男A・Bが現れる。

A「怖いなあ」
B「ああ、怖い怖い。片仮名を使っただけであれだもんなあ」
A「おそろしい法律だよ、『片仮名禁止令』ってやつは」
B「ずっと憲兵が見張ってるからなあ」
A「俺たちも気をつけようぜ」
B「おう」
A「そういえばさ、今週のひとつなぎの財宝見た?」
B「見た見た。あの手が伸びる人間が主人公のやつな」
A「そうそう悪魔の実食って能力者になるやつな」
AB「あの海賊の冒険漫画な」
A「ここで言う漫画は漢字で漫画だからな」
B「最近の『婦人・子供用の服で、身頃と腰から下の婦人服とが一続きになったもの』っておもしろいよな〜」
A「ん?」
B「だから、ひとつなぎの財宝な」
A「ああ。最初からそう言えよー」
B「結構がんばって忠実に表現したんだけどなあ、タイト――いや、題名を」

  (タイトル)と言おうとした。
  男B、ゆっくりと憲兵の方を見る。憲兵、片方の眉毛を上げ、威嚇する。
  が、セーフだったようだ。
  ほっとする男B。

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